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人工知能に負けない子ども、どう教育するか 東京大学 大学院情報学環 教授 山内祐平氏

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米IBMの人工知能「Watson(ワトソン)」が銀行のコールセンターに相次ぎ導入されたのをはじめ、今年に入って人工知能の話題に事欠かない。ビジネスの生産性を高めるツールとして、人工知能への期待は大きい。

その一方で、人工知能は人の仕事を次々に自動化していく。そこから生まれる漠然とした不安を背景に、「米国では今後20年で総雇用者の47%の仕事が機械化で奪われる可能性がある」とする英オックスフォード大学マイケル・オズボーン准教授の予測が再び注目されている。

<FONTBOLD />山内祐平(やまうち ゆうへい)氏</FONTBOLD></p><p>東京大学 大学院情報学環 教授

山内祐平(やまうち ゆうへい)氏

東京大学 大学院情報学環 教授

肝心なのは、10~20年後、こうした脅威の直撃を受ける私たちの子どもたちへの教育である。親の立場からすれば、わが子が人工知能に負ける姿を見たくはないだろう。子どもたちには、人工知能を自分のツールとして使いこなし、人にしかできない仕事ができる社会人に育ってほしい。そのためには、子どもたちにどんな教育をすべきなのか。学習環境のイノベーションについて研究している東京大学大学院の山内祐平教授に聞いた。

――人工知能が出てきて、特定の職業が変わったり、なくなったり、あるいは新しくできたりする可能性がある。そういう社会の変化が教育に与える影響について、どのように考えているか。

人工知能の話がここ1年でインパクトのある話題になっているが、「職業が変化していて、教育も変わる必要がある」という話は20年前から底流にあって、ずっと議論されている。たとえば、国際的な教育団体が提唱する「21世紀型スキル」(下図参照)。グローバル展開していた多国籍企業において、当時の教育で育ってきた子どもたちではグローバル競争を勝ち抜くのが難しい状況になってきていた。そこで、もう1度「教育の目標」にまで立ち返って21世紀に必要なスキルを議論し始めたのが1990年代だった。

<FONTBOLD />21世紀型スキル</FONTBOLD> グローバル化と高度情報化が進んだ知識基盤社会において、未知の課題を解決したり、多様な人々と協働したりするときに必要な10のスキルを国際的な教育団体ACT21sが定義した。</p><p>

21世紀型スキル グローバル化と高度情報化が進んだ知識基盤社会において、未知の課題を解決したり、多様な人々と協働したりするときに必要な10のスキルを国際的な教育団体ACT21sが定義した。

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