この頃、うつの症状を訴える人が多いようです。うつの原因となるストレスには、栄養素が大きく関係しています。

 私たちの体は、ストレスを受けると副腎からホルモンの一つであるアドレナリンやコルチゾールが分泌されて、ストレスに対応しようとします。しかし、その作用がうまくいかないと脳の海馬に支障を来したり、血糖値の増加、血圧や心拍数の上昇を引き起こしたりして体にダメージを与えてしまいます。

 これらホルモンの作用を高め、ストレスから体を守るには、自然の精神安定剤といわれるカルシウム、マグネシウム、抗ストレスに働くビタミンC、脳を柔軟にするEPA(エイコサペンタエン酸)、タンパク質が不可欠です。タンパク質に含まれるアミノ酸のなかのトリプトファンは、不足するとうつ病発症につながるといわれるセロトニンの原料。また、魚介類に含まれるアミノ酸のタウリンはイライラを解消します。アミノ酸を活性化するためには、ビタミンやミネラルの摂取が欠かせません。

 お薦めメニューは、冬に旬を迎えるカキを使った「カキとブロッコリーの炒め物」。カキはアミノ酸やビタミンB12などセロトニン生成に必要な成分を含有。また、タウリンも豊富。ブロッコリーは、アミノ酸のトリプトファンの含有量が高く、アミノ酸スコア(*1)も80と高め。

 冬は何かと気分も落ち込みがち。ストレスを解消してくれる食材でうつ病を予防しましょう。

うつを予防する<br />ストレス軽減に効く栄養素かみ応えのある硬めのブロッコリーで脳を刺激
撮影/中川真理子

●うつ予防に カキとブロッコリーの炒め物
 
材料(2人分):

カキむき身10個、ブロッコリー1/2株、長ネギ斜め薄切り1/2本、酒大さじ1、(A)(コチュジャン大さじ2、醤油大さじ1/2、酒大さじ2を混ぜ合わせたもの)、オリーブ油大さじ2、小麦粉適量
 
作り方:
①カキは塩もみして洗って拭き、酒をかける。
②ブロッコリーはひと口大に切り、硬めにゆでる。
③①に小麦粉をまぶし、オリーブ油大さじ1を入れた温めたフライパンで両面を焼き、取り出す。
④フライパンを洗い、残りのオリーブ油を入れて温め、長ネギを炒めてしんなりしたら、②を加えて炒め、カキを戻し、(A)を回しかけて混ぜ合わせる。