米、山口組を経済制裁対象に 「薬物密輸など関与」
【ワシントン=芦塚智子】米財務省は23日、日本国内外で麻薬の密輸や人身売買などの犯罪行為に関与しているとして、指定暴力団山口組と篠田建市(通称・司忍)組長(70)、ナンバー2の若頭、高山清司被告(64)=恐喝罪で公判中=を経済制裁の対象に指定したと発表した。日本政府と連携して対策を進めていく。
オバマ大統領が国際的犯罪組織の撲滅を目的として昨年7月に署名した大統領令に基づく初の制裁発動となる。制裁によって、山口組は米国の管轄下にある資産を凍結され、米国民との取引が禁止される。
財務省は、山口組は最大の「ヤクザ」組織であり、「暴力団」や「極道」の名前でも知られると指摘。「ゴッドファーザー」である組長を筆頭にピラミッド型の組織を持ち、日本や海外で薬物密輸や人身売買のほか「恐喝や売春、詐欺、資金洗浄に関与している」とした。違法な活動を通じて年間数十億ドル(数千億円)を得ていると推定している。
同省は旧ソ連圏を拠点に欧州や中東、南米などで活動する犯罪組織「ブラザーズ・サークル」と同組織の幹部らも制裁対象に指定した。