小額ユーロ硬貨の廃止検討、額面上回る製造コストで

小額ユーロ硬貨の廃止検討、額面上回る製造コストで
5月17日、欧州委員会はユーロ圏加盟の17カ国で1セントと2セント硬貨を廃止し、5セントを最も小額の硬貨とする計画を明らかに。写真は1セント硬貨。4月撮影(2013年 ロイター/Leonhard Foeger)
[ブリュッセル 17日 ロイター] 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会はこのほど、ユーロ圏加盟の17カ国で1セントと2セント硬貨を廃止し、5セントを最も小額の硬貨とする計画を明らかにした。小額硬貨廃止が緊縮政策を行う国々の経費削減につながることが期待されている。
欧州委によると、1セント硬貨と2セント硬貨を製造するコストは過去11年間、額面の価格を上回り、総額で14億ユーロ(約1840億円)に上るという。
2002年の流通以降、1セントと2セント硬貨は450億枚以上製造されているが、実際に店頭で使用されることはほとんどない。
ただ、一部の消費者は、小額硬貨が廃止されることで、商品価格の端数が最小硬貨の5セントに切り上げられ、物価上昇につながると懸念。その一方で、端数切り下げの恩恵が出るとの見方もある。
既に小額硬貨を廃止したフィンランドやオランダでは、価格の引き上げなどは見られていない。欧州委やEU幹部らは今後、加盟国間や欧州議会でこの問題を協議するとみられるが、より安価な金属で製造するなどして硬貨を残す選択肢も残っている。

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