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チャンネルAJER 更新いたしました。今回のテーマは「日本の公共事業の現実」です。

『日本の公共事業の現実①』三橋貴明  AJER2012.7.10(3)
『日本の公共事業の現実②』三橋貴明  AJER2012.7.10(4)

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8月30日(木)18時30分-大阪「三橋貴明が語る!政治・経済の真実『メディアの大罪』 」講演会開催

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 現在というか、今後の日本経済の進路を決める上で、極めて重要と思われる映像がアップされました。


【創生「日本」7月総会 講師:元総務大臣 竹中平蔵氏】
http://www.nicovideo.jp/watch/sm18375236
http://www.youtube.com/watch?v=U2Gxe7jA8iw


 現在の日本は、デフレです。デフレの主因はデフレギャップの存在です。


【インフレギャップとデフレギャップ】

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http://members3.jcom.home.ne.jp/ta kaa ki.mitsuhashi/data_37.html#IDGAP


 何度か書いてきましたが、インフレギャップは勝手に埋まり(物価上昇、貿易赤字拡大で)、潜在GDPと名目GDPはバランスします。それに対し、デフレギャップは「誰か」が埋めない限りは埋まりません


 竹中平蔵氏が好まれる「規制緩和」「民営化」「グローバリズム(貿易・サービスの自由化)」は、全て潜在GDPすなわちサプライサイド(供給能力)を引き上げる政策です。上記の映像の中で、竹中氏が「国家の長期的な成長力は、サプライサイドで決まる。潜在GDPを引き上げなければならない」というのは、わたくしは別に反対しておりません。まことに仰る通りです。潜在GDPがその国の国民経済の成長の限界になるというのも、仰る通りです。


 とはいえ、現在の日本はデフレギャップを抱えています。


「まずは、デマンドサイドに注力し、デフレギャップを埋めましょう。その後、デフレを脱却したらサプライサイドを引き上げる政策を打ちましょう
 というのが、わたくし(というか、デフレ対策を求める多くの方々)の立場であり、サプライサイドを疎かにしましょうなどとは言っていません。


西「先生のお話の前提が理解ができないところがあるんです。一番最初の(三橋注:世界の)人口問題ですが、確かにここ十年はそういう問題があるように見えますが、エネルギーの問題仰いましたけれども、もう一つ食糧。食糧と資源ですが、そういうものはものすごく大きな足かせになるというか、リスク要因であるはずでしてね。ですから、それを考えるとですね、そう簡単にどんどん世界が一方的に人口増加してですね。成長するとは思えない。むしろある程度のところでの均衡というものが前提と考えておかなければならないのではないか、という前提の元にですね。今のモラトリアム法とか日銀法のお話し仰ったんですが、しかし先生は仰ったんですが、今モラトリアム法が金融の足かせになっているという割には、日銀の当座預金残高どんどん増えていますね。預貸率物凄く低くて、貸出先がないわけで、いわゆる不良債権にお金が取られて民間企業にお金を貸し出せない状況ではないと思うんですね。むしろ、サプライサイドの話ではなくて、需要(デマンド)サイドの方に需要が少なくて、このデフレになっている。だから、財政支出をしていくべきではないかと、思うんです。先生仰ったように、消費税を今の時期に上げるというのはおかしいというのは、全く同感ですけれども、大前提のところがね、ちょっと先生と認識が違いますんで、というか今現在の状況が実際にですね、サプライサイドでは説明できない、という疑問が前からありまして、教えて頂ければと存じます」


竹「よく分かります。あの~、お父上にはお世話になりまして、西田先生の勇ましい質問攻めを、テレビで聴いて、頑張れ、頑張れと、いいなあといつも思っております。

 西田先生のご指摘は、実は非常に理解できる部分があります。私は同じ問題をノーベル賞取ったクルーグマンとしたことがあります。需要と供給の問題というのは、かたっぽの問題では絶対ありえないです。需要は供給に影響されますし、供給は需要に影響されますから、両方が上がって行くようにしなければいけない、と。これはもう、先生にも理解して頂けるんではないかと。重要な点は、私はいつも思うんですけれども、供給を上回って需要が増えることはできません。そうですよね。供給を上回って需要が増えることはできない。だから、成長の上限というのは供給で決まるわけですね。成長の上限が抑えられてきた、つまり、ずっとですね、今需給ギャップ(注:デフレギャップ)2%くらいですね、内閣府の試算によると。供給の伸びというのが潜在成長力であって、潜在成長力に対して需要が不足していると、いうのであれば需給ギャップが広がります

 今、需給ギャップは緩やかですが縮まっているわけですね。で、需要が増えないのはなぜなのか。需要が増えない。私もあまりお金を使う気しません。なぜかというと、将来所得が増える見込みがないから、ですよね。それはなぜかと言うと、将来の潜在成長力が低いと思うからです。日本のアンケート調査というのは面白くてですね、期待成長力とはどのくらいですかと内閣府がやるんですけれども、実は小泉政権から安倍政権は実際の成長力が上がっているわけです。その間に雇用も百万人増えました。

 だから、私が申し上げているのは、供給が増えれば、放っておいても需要が増えるとは申しません。しかし、供給の頭打ちがある限りは、需要増やそうとしてもそう簡単に需要は増えない。一時的に政府が、一時的に、需要を増やすことはできます。ですが需要が継続的に増えていくようにするには供給力、供給力というのは稼ぐ力ですから、稼ぐ力が増えていくようにしなければいけない。それが私は経済を考える時の基本だと思います。

 先ほどの個別の問題に対して言うならば、いま貸し出しが増えないのは、需要がないからか、銀行が貸し渋っているのか、これはもう90年代から論争があるわけですけれども、これは答えは必ず両方なんですよね。両方です。私は両方の要因があると思います。問題は、金融機関がリスクを取れなくなっているというのは間違いなくあるわけで、貸し出し需要もそれなりに増えていませんね、と。それは何でかというと、いや、一杯やりたいことがあるんだけれども、規制があってできなんだと、必ず新しくやる人から出てくる。だから、供給サイドを強くすると。規制緩和をやるということが、私は絶対的に必要だと思いますし、金融機関のリスクを減らすために、今のようなモラトリアムは正常化させていかなければならないと思います。ただ、それを急にやると大変なことになります。そこは、需要と供給は最終的にはバランスさせなければいけないので、そこは西田先生のご指摘に私も賛同いたします。」


 上記の西田参議院議員と竹中氏のやり取りを見れば、ポイントが分かると思います。結局、竹中氏はデフレギャップが存在する中で「サプライサイド(供給能力)を引き上げる」という政策を主張し続けてきたため(それをやると、当然デフレギャップが拡大します)、落としどころに苦労しているように見受けられるわけです


 ならば、
「長期的にはサプライサイドに注力し、供給能力(稼ぐ力)を引き上げる政策が必要だ。だが、今はデフレギャップでデマンドサイドに注力せねばならない時期なので、財政支出で需要を創出する」
 これでよろしいのではないでしょうか。先日も書きましたが、わたくしは竹中氏が上記の「言い方」で短期的な政府による需要創出の主張を始められたら、
「まことに仰る通りです、先生」
 と賞賛させて頂くつもりなのでございます。


 現在の日本のデフレは誠に深刻で、「現在の所得が増えない」ために国民がお金を使おうとせず、デフレギャップが埋まりません。「将来、所得が増える見込みがないから」ではないと確信しているわけでございますが、それでもサプライサイドの方々を取り込むために、
「長期的には潜在GDPの正両立を高めましょう。ですが、今はとりあえず財政支出で需要を創出し、デフレから脱却しましょうよ」
 という感じで、サプライサイド派を「包含する」主張(藤井先生の仰る「オルタナティブストーリー」)をしていく必要があるのではないかなあ、と、西田先生と竹中氏のやり取りを見ていて思った次第でございます。

 皆様のご意見をコメントに書き込んでくださいませ。


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