No.685(2011.5)

【殉死・失踪・病死−ひとり出版社の終わりかた@】

 このタイトルで『本の雑誌』2011年4月号に2頁の原稿を書かせてもらいました。特集は「ひとり出版社の時代が来たぞ」。本当に、そうか? と疑問に思いますが、それはそれとして、以下5回に分けて、転載させてもらいます。
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 なにやら不吉なタイトルを掲げてしまいました。ひとり出版社であり続けようとするなら、その宿命として、出版社の終わりかたを考えておかなければなりません。
 岩田書院の創立は1993年、今年で満18年を迎えます。日本史・民俗学の専門書を中心に年間約50点の新刊を発行し、2011年2月までの総発行点数は670点、年商は1億円。これをひとりでこなします。とは言っても本当にひとりで全部できるわけがありません。常勤のアルバイトをひとり頼んで、編集は外部のスタッフを3人。在庫は倉庫会社に預け、取次搬入や個人注文の発送も、そこからやってもらってます。
 前置きは、このくらいにして、本題に入りましょう。私の周辺の「ひとり出版社」の終わりかた、実際の3例です。(以下、続く)