shungo.arai

A scrapbook on my concern.

欧米の基準から見れば、アジアはまだまだ現金をため込んでいる。97年のアジア通貨危機以降、国民も政府も万一に備え、収入のかなりの部分を蓄えに回してきた。中国は世界屈指の貯蓄大国で、貯蓄率の対GDP比は38%。インドも約35%で、3.9%のアメリカの10倍近い。

しかし、数字に惑わされてはいけない。中国やインドで莫大な現金をため込んでいるのは個人ではなく、輸出企業だ。

新興国では08年の金融危機をものともせず、地元や欧米系の金融機関が倹約文化を変えようと全力を挙げている。当然だろう。苦境にあえぐ欧米と違い、新興国の経済は上向きで、個人所得は増え、借金は信用力の証しと見なされるようになった。

— 「アジアの浪費熱が世界を救う」, ニューズウィーク日本版, 2010.12.29.