戦略兵器としての「Google+」

 Google+(グーグル プラス)の成長がめざましい。サービス開始後1ヶ月足らずで、全世界で2000万人近くのユーザ数を集めたという報道もある。単純に考えれば、年内には1億人を突破する勢いだ。こんなスピードで普及したサービスは、これまで見たことがない。

 Google+は、いわゆるSNSの一つと考えられる。SNSやソーシャルメディアの定義は、実は結構曖昧なのだが、まずはfacebookやtwitterなどの対抗馬と考えるのが、とっつきやすい。

 あまり興味のない向きは、「何匹目のドジョウなんだ」あるいは「Googleよ、お前もか」という、やや食傷気味の印象を抱くかもしれない。ただ、これまでソーシャルメディアで失敗を重ねてきた同社が、満を持して投入しただけあって、よく考えられている。

 おそらくGoogle+であれば、最近日本のtwitterで増えている「読むだけ」のユーザも評価できるだろう。よりビジュアルに表現され、またコメントが荒れにくそうな構造でもあり、眺めているだけでもそこそこ楽しめそうだ。確かに、数週間で2000万人近いユーザを集めるだけはある。

 そんなわけで、ご多分に漏れず私もこのサービスを楽しんでいるわけだが、しばらく触ってみて、あることに気がついた。

 Google+は、単なるGoogleの新サービスではない。おそらく相当に周到な準備をもって作られた、いわば同社の戦略兵器である。そしてその戦略が達成された先には、もしかすると少々恐ろしい世界が、待っているかもしれない。

「Google+」の3つの特徴

 Google+のどこが戦略的なのか。数週間使った限りの印象だが、私は次の3点が気になっている。

 まずは、作り込まれたユーザインターフェース。もともとGoogleはシンプルなインターフェースを好んで採用するが、Google+は単にそれだけでなく、facebookやtwitterをある程度(受動的であっても)使ったことのある人なら、直感で理解できるものとなっている。