日経平均9000円割れ 震災直後の3月17日以来
9日前場寄り付きの東京株式市場で日経平均株価は大幅続落して始まった。前日比185円(2.0%)安の8911円で寄り付き直後から9000円を割り込んだ。取引時間中に9000円の節目を割り込むのは東日本大震災が発生した直後の3月17日(8639円)以来、約5カ月ぶり。前日の米株式市場でダウ工業株30種平均は大幅反落し、2010年10月以来約10カ月ぶりの低水準を付けた。世界的な連鎖株安を受けて投資家心理が悪化。東京市場でも主力株が軒並み下げて始まった。
東証1部では自動車、電機株のほか精密、銀行などが売られ、ほぼ全面安の展開。売り注文が膨らみ、売り気配で推移する銘柄も多い。トヨタやみずほFG、キヤノン、コマツなどの下落が目立つ。
前日の海外市場では英FTSE100が3%、独DAXが5%下落したうえ、米国ではダウ工業株30種平均が634ドル(5.5%)下げた。ダウの下げ幅は2008年12月1日以来の大きさ。7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議は8日、緊急で電話会議を開き、協調姿勢を示した。オバマ米大統領は同日、S&Pによる格下げに対し「市場は我々の信用が世界で最も安全であることを再認識している」との声明文を発表した。しかし、いずれも具体策に乏しいとして株安に歯止めを掛けるには力不足だった。
実体経済も米国では4~6月期の実質国内総生産(GDP)の成長率の伸び率が鈍化するなど減速感が鮮明になりつつある。新興国では国際商品市況の高騰による物価上昇圧力が景気の重荷で、世界的にリスク性の高い資産を回避する流れが加速している。〔日経QUICKニュース〕