LTEを採用したドコモの高速データ通信「Xi」インプレッション

※この記事は5年以上前に書かれたため、情報が古い可能性があります

ブログでは第一報を挙げたっきりご報告が遅れましたが、ドコモのデータ通信サービス「Xi」をサービス開始日に契約しておりました。

俺もクリスマス – カイ士伝
https://bloggingfrom.tv/wp/2010/12/24/4714

Xiと書いてクロッシィと読むこのサービスは、NTTドコモが2010年12月24日に開始した次世代のデータ通信サービス。理論値上は下り最大75Mbps/37.5Mbps、送信25Mbps/12.5Mbpsという高速通信がモバイルで可能になります。技術的には「LTE」なんて呼ばれてたりもしてるので、そっちの名前のほうが知っている人多いかも。

LTEサービス「Xi」(クロッシィ) | NTTドコモ
http://www.nttdocomo.co.jp/xi/index.html

新しいもの好きというのももちろんだけど、まだ始まったばかりでエリアもそれほど広くないこのサービスを契約したのは、Xiエリア外ではドコモの3G回線を併用できるという仕組み。通常はドコモの広いエリアをカバーしたデータ通信を利用しつつ、都内など一部エリアではより高速に利用できる、と考えたらエリア面ではむしろ大きな武器です。

また、料金も今はキャンペーン中なのでかなり安い。Xiの料金体系は月間の利用データ量が5GBまでは定額なものの、5GBを超えると料金が追加される段階定額なのですが、キャンペーンでは5GB超えても定額なだけでなく、2年契約なら月額4935円と、イー・モバイルの標準プラン程度の金額で使えるのです。

キャンペーン期間中に、「Xiデータプランにねん」、「Xiデータプラン」にご加入されたお客様は、月額利用料金の上限額が以下になります。
Xiデータプランにねん……4,935円
Xiデータプラン……6,405円

「Xi」(クロッシィ)データ通信 | サービス・機能 | NTTドコモ
http://www.nttdocomo.co.jp/service/data/xi/index.html

と、料金・エリア面でかなり魅力的だったXiなのですが、課題は端末のラインアップで、今のところ発表されている端末はUSBまたはExpressCard型しかない。また、ドコモ社長自ら「2011年度上半期にはXiのモバイルルータを出す」と明言してるので、やはり本命としてはXiルータを待ちたいところ。

なお、Xi対応端末として、来年度の早い時期にモバイルWi-Fiルーターも投入される計画だ。

ドコモの「Xi」スタート、山田社長「スマートフォンは来冬」 – ケータイ Watch

http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20101224_416928.html

といいつつも新しいもの好きの血も騒ぐわけで、結局は2年縛りのない月額6,405円の「Xiデータプラン」を契約し、ルータが出るタイミングでいったん解約してルータを2年契約しよう、という計画によって、とりあえずUSB型の「L-02C」を契約した次第です。

L-02Cはスティック型の端末で、本体を折り曲げるとUSB端子が出てくる仕組み。

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ただ本体がかなり横に広いため、USBが横に並んでいるようなPCではもう1つのUSBに干渉します。USB延長ケーブルが付属するのでそれ使えば干渉は避けられるものの、取り回しが不便になってしまうのがちょっと難点。まあ記念すべき初号機だから仕方ないですかね。

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折り曲げ部分のふたをスライドすると中にはSIMが。このSIMは形こそ一緒ですが通常のドコモSIMとは互換性がありません。ちなみにこのXiのSIMは色が赤く、マニアには「赤SIM」などと呼ばれてちょっとした自慢の対象だったりします。

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ユーティリティはいわゆるゼロインストールで、USBポートに装着するとインストールできるCDいらずの仕様。WindowsだけでなくMacも対応しております。左上に「LTE」と表示されているとXiエリア、「HSDPA」と表示されたら通常の3Gエリアです。

 

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で、サービス開始当日に契約して今まで数カ月にわたって使ってきたんだけど、結論としては「もうちょっと待ったほうがいい」というのがFA。エリアや料金は予想通りでかなり納得の水準なのですが、実際に使ってみるといろいろ課題がありました。

まずはスピードで、以下は実際にLTEエリアで「speed.rbbtoday.com」を使って測ってみた数値。下りは確かに実測で7.8Mbpsという高速な結果となりましたが、一方の上りは理論値とはかけ離れた結果。いろんな場所で測定してみたんですがたいてい上りは出ても数百kbps程度で、公称値にはおよぶべくもありません。

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以下は下り7.2Mbps、上り5.8Mbpsのイー・モバイルで計測した値。下りはさすがに大幅に負けてますが、上りは400kbpsを出してます。ちなみにイー・モバイルは調子いいと上りが1Mbps超えることもあったのですが、Xiで上り1Mbps超えはみたことがありません。

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なお、上りが遅いのはこのケータイWatchのレビューでも同じ結果の模様。外出先でアップロード時の速度を重視している人には、現状のXiはかなり厳しそうです。

まず渋谷駅前の待ち合わせスペースでは、だいたい下り速度が11.2Mbps、上り速度が331kbpsという結果となった。上り速度が低いのが気になるが、Windowsマシンなどほかの環境で試してみても同様の傾向が見られた。ネットワークかL-02Cのチューニングが万全ではないのかもしれない。

ドコモの新サービス「Xi」レビュー – ケータイ Watch
http://k-tai.impress.co.jp/docs/review/20101227_417636.html

そしてもう1つ困るのがユーティリティのクオリティ。Windows版はまだいいのですがMac版がひどくて、15分くらいでかならず自動切断して落ちてしまったり、USB接続しているのに「端末がつながっていません」とか表示されたりする。個体差の可能性もあるのですが、これも数少ないXiを使っているMacユーザーに聞いてみたら同じように不安定らしいとのことを申し添えておきます。

また、L-02C自体は2月にアップデートがかかったのですが、不具合修正の内容が「Macの一部機種でL-02C接続ソフトが起動しない事象を改善しました」とあるのにアップデート用のソフトがWindowsにしか対応していないという……。なんかもういろいろ斬新すぎます。

L-02Cのソフトウェアアップデート情報 | お客様サポート | NTTドコモ http://www.nttdocomo.co.jp/support/utilization/software_update/list/l02c/index.html

ここからは推測も交じりますが、回線のクオリティは高いものの、まだハードやソフトがそれを引き出せるほどチューニングがされてないんじゃないかなあ。今後アップデートで上り速度の改善やユーティリティの安定度も向上する可能性はありますが、現状の数値だと諸手を挙げてオススメ、という感じではないです。

もちろん下り速度は本当に高速だし、ドコモの3Gという広大なエリアは本当に魅力的。利用がPCメインの人だったらUSB接続のほうがモバイルルータより使いやすいだろうし、2年契約で5000円を切るという料金はなかなかコストパフォーマンス高いです。

といいつつもスマートフォン複数台持ち歩いてモバイルルータがメインになっている私としましては3月のいいタイミングなのでいったんXiは解約する予定。2011年度前半といわれているモバイルルータが出たタイミングで再度契約したいと思います。もうちょっと上り速度の改善も期待したいですねー。


LTEを採用したドコモの高速データ通信「Xi」インプレッション” への4件のフィードバック

  1. [xi]… フイタwww "不具合修正の内容が「Macの一部機種でL-02C接続ソフトが起動しない事象を改善しました」とあるのにアップデート用のソフトがWindowsにしか対応していないという……。なんかもういろいろ斬新すぎます。" http://htn.to/ddqkqF

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