OS X Lionには、250以上もの新機能があることは、ライフハッカーでも再三ご紹介してきましたし、Appleのサイトでも公開されています。ところが、実はまだ隠れた新機能があります。そんなLionの知られざる新機能の中から、米Lifehacker編集部のお気に入りトップ10をご紹介しましょう。
ここ数年にわたって、AppleはOSに内蔵している音声読み上げ機能「VoiceOver」の精度を、少しずつ上げてきました。音声の選択肢の中で自然に聞けるコンピューター音声は、しばらくの間「Alex」の声くらいで、その選択肢は今回も大きく変わっていませんが、VoiceOverユーティリティに新しい音声をまとめて追加できるようになっています。
「HD>アプリケーション>ユーティリティ」でアプリを開くか、「システム環境設定>ユニバーサルアクセス>VoiceOverユーティリティを開く...」で開いたパネルから「スピーチ」の項目を選択し、音声選択メニューから「カスタマイズ」を選びます。ここで色々な音声の中から選ぶことが可能です。最初はおもしろいと思うような変わった声もいいですが、後ですぐに後悔することになりますから、やはり自然な声が無難でしょう。
Lionには新しいマルチタッチジェスチャーがたくさんありますが、その中の隠れた機能に、2タップで言葉を辞書で調べられるというのがあります。調べたい言葉が出てきたら、カーソルをそこに動かして、3本指でその言葉を2タップするだけです。言葉が黄色にハイライトされ、その上に吹き出しのように言葉の意味が表示されます。この機能を使えるようにするには、「システム環境設定>トラックパッド> ポイントとクリック」で設定しましょう。
この機能はLionのアプリ全体で使うことができますが、特にFinderでファイルを探す時に便利です。「text」というような言葉でファイル検索をする時は、ファイル名に「text」と入っている場合と、単純に「text」ファイルを探している場合とがあるでしょうから、基本的にドロップダウンメニューで条件を絞り込んでいたと思います。これからは、メニューでどちらかを選択したり、検索トークンを作ることができます。このようにトークンをどんどん作り続けることで検索精度も上がり、ローカルのファイルを見つけるのが驚くほど速く、簡単になります。
Finderのコンテキストメニューにも隠れた便利な裏技があります。複数のファイルをまとめて選択し、右クリックもしくは、「Control + クリック」でコンテキストメニューを開き、「選択したファイルを新規フォルダに(○アイテム)」を選びます。これで、すべてのファイルがまとめて新しいフォルダに入ります。もちろん、最初に新規フォルダを作成して、ドラッグ&ドロップでまとめてファイルを入れることもできますが、掛ける手間が一つ省けます。キーボードのショートカットでは「Command + Control + N」です。
iCalに自然な言葉で入力するだけで新しいイベントをカレンダーに追加できる機能「Quick Add」が追加されました。これを使うには、イベントを追加したい時にiCalで「+」をクリックして、カレンダーを選びます。小さなポップアップ画面が表示され、そこに予定でも何でも好きな言葉を入力してください。「金曜19時に映画」といった具合に入力すれば、iCalが新規イベントとして追加してくれます。
さらに年表示をすると、カレンダー全体のヒートマップ(どこのスケジュールが過密でどこが空いているか)を見ることができます。暖色の色が強いところに、より予定が入っているということです。
画面上にあるものを管理したい時に画面共有はかなり使えますが、離れたところから別のアカウントでログインした状態でアクセスすることはできませんでした。それが、別のアカウントがバックグラウンドで起動していても、どんなユーザーの画面からでも、画面共有できるようになっています。
さらに、他の人とは画面共有したいけど、その人のために新しいアカウントを作りたくない場合は、「システム環境設定>共有」で画面共有を選び、その人たちのApple IDを認証ユーザーとして追加するだけでもOKです。
Lionには、アプリ毎に使っていい場所や使えるデータを設定して管理できる、プライバシー設定があります。「システム環境設定>セキュリティとプライバシー」でプライバシーのタブを選び、好きなように設定することが可能です。
「あれ、固まった?」と思った数秒後に普通に動くこともあれば、処理中だと信じて疑わずに画面を数分見つめていたものの、実は固まっていて結局再起動するはめになったりして、再起動のタイミングを計っていて時間を無駄にすることはよくあります。
再起動しなければならない状態なら、すぐにそうすればいいだけの話なのですが、Lionではその見極めをする必要がありません。「システム環境設定 > 省エネルギー」の設定画面で、「コンピュータがフリーズした時は自動的に再起動する」にチェックを入れるだけでOKです。これでもう二度と再起動するべきかどうか悩まずにすみます!
WindowsからMacに乗り換える時にも、Lionならすべてのファイルを適切な場所に、簡単に引越しできます。すべてというのは、ドキュメントから、Outlookのメールアカウントから、Picasaにある写真もです(なぜPicasaの写真まで移動できるのか定かではありませんが、移動できました)。
データの移行はネットワークを介して行われます。ネットワークは無線でも有線でもどちらでも問題ありません。まず最初にWindowsからの移行アシスタントをダウンロードし、それを開くと、Macで移行アシスタントを開いたような状態になります。(「HD>ユーティリティ >移行アシスタント」を開いた状態という意味です)そこで移行したい情報を選択するだけで、あとは勝手に引越ししてくれます。少し時間がかかると思いますが、すべてが終われば古いWindowsのデータが新しいMacに入っているのですから、待つくらいなんてことないですよね。
プレビューにも新機能がたくさん搭載されましたが、中でもイチオシの機能は、PDFドキュメントにデジタルサインが入れられるようになったことです。トラックパッドに指でサインをするのかと思いきや、そうではありません。小さな紙にあらかじめサインをしておき、それを「iSight」、もしくは「Facetime」のカメラで写真を撮ります。これで、ドキュメントにサインを付けることが可能です。
使い方は、まずサインを付けたいPDFドキュメントをプレビューで開き、ツールバーの「注釈」をクリックします。サインのドロップダウンメニューをクリックすると、2つオプションが表示されます。1つ目はMac内蔵のカメラでサインの写真をオプション、2つ目はすでに取り込んだサインを使うオプションです。どちらかを選べばサイン付きのPDFを作成できます。これはかなり使いたくなる機能です!
以上が、米Lifehacker編集部お気に入りのLionの隠れ機能です。他にも便利な隠れ機能を見つけた人は、コメント欄でぜひ教えてくださいね。
Adam Dachis(原文/訳:的野裕子)