オラクル対オープンソース: 今度はHudson

日本人(http://twitter.com/kohsukekawa)がリードする継続的インテグレーションツール(http://ja.wikipedia.org/wiki/Hudson)の開発コミュニティーとオラクルの間に摩擦が生じている。

http://www.hudson-labs.org/content/whos-driving-thing

バックグラウンド: Hudsonはフリーソフトウエア(MIT License)だが、Kohsuke KawaguchiさんがSunにいたころ開発されたため、同社がプロジェクトのトレードマークを持っていたらしい。 買収によりSunのHudsonにたいする権利もオラクルのものになった。

元記事に詳しいタイムラインがあるが、肝心なところを拾うと:

開発はjava.netでホスティングされていたが信頼性の問題などからメーリングリストgoogle groups、コードはgithubに移行しようと開発者コミュニティーで意見がまとまった。

移行への意義申立期間の最後の日にオラクルのVPから移行反対のメールが来た。 長いメールだが、肝心なところは、オラクルがHudsonに対するトレードマークを所有しており、これを「コアコミュニティー」外での使用を禁止する、という部分だ。

その後議論が続いたがそのなかでオラクルのVPは「開発のインフラに対する最終決定権はオラクルに帰属する」と主張した。
"the final decision of what to do w.r.t. infrastructure belongs to Oracle"

ラクルのHudsonに対する権利はトレードマークだけという仮定でこれを解釈すると:「Hudsonの名前で続けたいなら、 オラクルの言うことを聞け」ということになるだろう。

元SunのオープンソースプロジェクトはjdkOpenOfficeに続き、Hudsonもオラクルと衝突している。 (SunはOSSの良きパートナーだったんだな…)元記事はhudson-labs.orgに投稿されている。 これをHudson開発コミュニティーの声と解釈すると、 オラクルの決定権の主張に不服を持っていると受けられる。 オラクルが強行に出れば新しい名前の元にコードをフォークし開発コミュニティーが鞍替えするだろう。 (ハッカーニュースのコメントにはフォーク賛成の声が広がり、すでに新規プロジェクト名の提案も上っている)オープンソースプロジェクトを企業力で押えておくことはできない。 オラクルはにこの事実を認識しようとしない。

ラリーの観点でものを考えるのは難しいが、最善の努力をしてみよう:
Hudsonのインストールベースは推定X万件。 既存のエンタープライズ開発ツールのクライアントあたりY千万のライセンス料が取れる。 だからHudsonはX*Y千万の収入源になるベキだ。
オープンソースをビジネスとして展開している企業はそれを「complement」と位置付けた戦略を展開している。 オラクルにそういう発想は無いようだ。

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