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次世代新幹線 飛行機の牙城崩せ JR東日本

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NIKKEI BUSINESS DAILY 日経産業新聞

「ドル箱路線」をつかめ――。JR東日本が次世代新幹線で、交通機関で飛行機が独占する牙城を切り崩そうとしている。目指すのは東京―札幌間。運賃収入で大幅な伸びが期待できない中、同社は新幹線に稼ぎ頭として期待を寄せる。牙城を切り崩す秘策が新幹線のスピード向上だ。

最高速度360キロ

JR東の次世代新幹線「ALFA-X」(アルファエックス)。最高営業速度は従来よりも40キロ速い360キロが売り物で、北海道新幹線が2030年度にも函館から札幌まで延伸した場合を見据えて開発が進められている。

狙うのは東京―札幌間の乗客だ。現在は航空機利用者の独占状態で、新千歳空港―羽田空港の乗客は901万人(17年)。国内線で最も乗客が多い路線だ。もちろんJR東がシェアの大半を握れるはずはないが、少しのシェアでも握ることができれば新たな収益源になることは間違いない。

1つのモデルケースがある。東海道・山陽新幹線の東京圏―福岡間だ。同区間の距離は1000キロ強と、東京―札幌とほぼ同じになるとされる。この所要時間は決まっていないが、東京圏―福岡は約5時間。JR東海によると、同区間における新幹線と飛行機のシェアは1対9。これに照らし合わせると札幌まで延伸すれば、これまでゼロだった収益が入ってくる。

実際、北海道新幹線が16年に新青森―新函館北斗(北海道)間で開業した際、東京―函館の鉄道の利用者が一気に増加した。開業前には交通機関の全利用者数のうち13%にとどまっていた鉄道利用者数が16年度には35%にまで拡大した。

JR東管内で新幹線が初めて開通したのは1982年の東北新幹線。87年の会社発足以来、東北新幹線の延伸や、北陸・北海道新幹線が相次ぎ開業。主な新幹線の本数は1日あたり2.1倍、座席数も2.4倍になった。新幹線の開通効果は確実で、東京―青森の所要時間は2時間59分と、新幹線の開業前と比べ2時間32分短縮された。

秋田新幹線ではいま、JR東が災害対策の一環で、田沢湖(秋田県)―赤渕(岩手県)の全長15キロメートルに新たなトンネルを掘れるか調査を進めている。東京―秋田間における新幹線と飛行機のシェアは6対4(16年度)だが、この工事が実行に移された場合、東京―秋田の所要時間は7分短くなる。山形新幹線でも災害対策としての整備計画が水面下で進んでいる。

騒音軽減がカギ

新幹線の整備自体がいったん落ち着いたいま、JR東は新幹線需要のさらなる獲得のために所要時間の短縮を狙う。カギを握るのが騒音の軽減だ。速度が上がれば走行音も大きくなる。特にトンネルに新幹線が進入する際の騒音が課題で、JR東は鉄道総合技術研究所(東京都国分寺市)と連携し滋賀県米原市の研究所などで対策を進める。

アルファエックスはいま2種類の試験車両を開発中だが、一方の車両は先頭車両の形状をよりシャープにする。来春からの試験運転で騒音がどれだけ軽減できるのかを確認する。線路上の防音壁の改良も検討課題で、壁の高さと設置コストなどとのバランスを考慮に入れて開発を進める。

東北新幹線などが走る上野―大宮間で5月から始めた工事も騒音対策だ。防音壁を高くすることで騒音を軽減し、最高時速を130キロと20キロ引き上げる。工事完了の2年後にはわずか1分の所要時間の短縮になるが、東京―新函館北斗の所要時間は現在、最速4時間2分。心理的な壁とされている4時間を切るためには、この1分が小さくないとみる。

所要時間の短縮で頭をもたげるのが盛岡(岩手県)―新青森間だ。同区間は独立行政法人の鉄道建設・運輸施設整備支援機構(横浜市)が線路を保有し、最高速度は時速260キロメートルに制限されている。アルファエックスの性能が十分に引き出せる環境にはない。

しかも、JR東は同機構に線路使用料を支払って新幹線を運行している。八戸(青森県)―新青森間は年70億円にのぼる。この金額は新幹線の整備効果などを加味して算出されているが、JR東にとって乗客数が伸び悩めば利益を確保できない。18年3月期は運賃収入全体の3割を占める新幹線だが、さらに所要時間を短縮し、乗客を呼び込むことが不可欠だ。

八戸―新青森間で最高速度を引き上げるためにはやはり騒音対策などが必要になりそうだ。国土交通省によると、JR東がこれに取り組む意志があれば、工事は可能だという。JR東は「財産の帰属問題に加え、軌道や電気設備、環境対策などに多額の工事費が必要になる。投資効果の観点から慎重な検討が必要」との認識を示す。ただ、ある同社幹部は「条件さえ合えば前向きに検討する」と話す。

もちろん、これが解消すれば所要時間が大幅に短縮するという問題ではない。青函トンネルにおける速度制限の課題もクリアする必要があるほか、そもそも足元では北海道新幹線は100億円の営業赤字だ。これらの条件を解決した上で、あとは長時間乗車でも快適に過ごせる車内サービスをいかに提供できるか。すでに東北新幹線には「グリーン車」を上回る水準の「グランクラス」を投入しているが、居心地の良いサービスの提供もカギとなりそうだ。(企業報道部 岩本圭剛)

[日経産業新聞 2018年8月2日付]

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