myrmecoleonの「グラフで見るニコニコ動画」 第30回

二次創作ではアイマスとラブライブ！は共存共栄が可能!?

似ているようで違うアイドルマスターとラブライブ！のpixiv事情

筆者紹介：myrmecoleon

　明治大学米沢嘉博記念図書館スタッフでニコニコ学会β幹事。趣味で同人誌やニコニコ動画関連の研究をしてる人。記事に使ったデータ元の『ニコニコ統計データハンドブック2014』など同人誌をコミケで頒布。ブロマガでは連載記事の補足も。
　Twitterアカウントは@myrmecoleon。関わった近著に『進化するアカデミア 「ユーザー参加型研究」が連れてくる未来』（イースト・プレス刊）。右の画像は筆者を擬人化？して描いてもらったキャラ「ありらいおん子」。男の娘。

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pixivでも根強い人気の「アイドルマスター」

　「アイドルマスター」ことバンダイナムコゲームスのゲーム「THE IDOLM@STER」シリーズはニコニコ動画開始初期から非常に人気の高い作品で、2009年からニコ動のカテゴリタグとなっており、この連載の第10回でも取り上げました。また「アイドルマスター」は、これまでに取り上げてきた「東方」「VOCALOID」とともにpixivや同人誌即売会などで長く人気の高い作品です。

　今回はpixivでのイラスト投稿に焦点をあてて「アイドルマスター」の二次創作活動について調査してみました。

　まず参考に、ニコニコ動画での「アイドルマスター」タグの投稿の推移と基本数値をご紹介します。2007年から高い人気のあった「アイドルマスター」ですが、「アイドルマスター2」発売・テレビアニメ放映・シンデレラガールズ人気と広がった2011年に再び投稿を増やしました。2013年はゲームでの大きな展開が少なく投稿数を落としましたが、2014年はアニメ劇場版の上映、ゲーム「アイドルマスター ワンフォーオール」の発売などもあり、4月から再び投稿を増やしているところです。

　現在までに「アイドルマスター」タグの動画は、約1万8500人によって約25万3500件投稿されています。以前にも紹介したとおり、「アイドルマスター」はニコニコ動画初期から活動している古参ユーザーの活動が活発で、現在も大きく傾向は変わっていません。

ニコニコ動画において、2014年7月上旬時点で視聴可能な「アイドルマスター」タグの付いた動画の月別の投稿動画数とそのユニークな投稿者数、および新規の投稿者数

※コメント率・マイリスト率はそれぞれコメント数・マイリスト登録数を再生数で割った値。拙著同人誌『ニコニコ動画統計データハンドブック2014』より抜粋。2013年12月上旬調査時点の値。

　pixivでもアイドルマスターの人気は高く、これまでに約3万名の投稿者により21万以上のイラストが投稿されています。初期から投稿が多い作品の1つでしたが、2011年のアニメとモバゲーのソーシャルゲーム「アイドルマスター シンデレラガールズ」（通称モバマス）の登場で投稿が急増しました。なおシンデレラガールズ関連のイラストには「アイドルマスター」タグが付いていないことが多いため、今回はpixivで「アイドルマスター」「アイドルマスターシンデレラガールズ」のいずれかのタグの付いたイラストについて調査しています。

　投稿数のピークは2013年2月で約6000件の投稿がありました。イベントの不在などで投稿数の落ち込みやすい10月、11月に一旦減少していますが、現在は月に約4000件のイラストが投稿されています。

pixivにおいて、2014年7月上旬時点で見ることができる「アイドルマスター」または「アイドルマスターシンデレラガールズ」タグの付いたイラストの月別の投稿イラスト数とそのユニークな投稿者数、および新規の投稿者数

　こうしたpixivでのアイドルマスターのイラスト投稿者は7割が男性です。投稿者の6割が性別の情報を公開、2割が性別と年齢の両方を公開しています。両方を公開しているユーザー約6500名についてみてみると、東方などと同様に20代前半の男性の投稿者が多く、以下上下の年代に向かってなだらかな山を作っています。女性の投稿者についても20代前後が多いです。

グラフ2と同様に収集したデータについて、性別・年齢をpixiv上で公開している投稿ユーザー約6500名について集計してグラフにしたもの。青が男性、赤が女性

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