ゴーン社長「強い現場、誇り」 日産いわき工場復旧
2週間前倒しで通常操業に
日産自動車は17日、東日本大震災で被災したいわき工場(福島県いわき市)を報道陣に公開し、通常操業に回復したことを明らかにした。国内外の完成車工場に供給するV型エンジンの生産水準を、月間約3万基に引き上げた。今後は余震などによる被害を防ぐため30億円を投じて建屋を補強する。
「"ベリー・ストロング・ゲンバ"を目の当たりにして誇りに思う。皆さんは日産だけでなく日本の復興の象徴と言っても過言ではない」。同日午後、いわきの復旧に携わった約350人の従業員を前に、カルロス・ゴーン社長は切り出した。
日産にとって震源に近く最も被害の大きかったいわき工場の復旧が、当面の最大の課題だった。系列部品メーカーも直後から含めピーク時で一日210人の応援部隊を派遣。当初予定より2週間前倒しで全ラインでの2直生産にこぎつけた。ゴーン社長は早期復旧をたたえつつ、最後に全員で「がんばっぺ、いわき!」の掛け声とともに拳を突き上げた。
今後は部材の調達量に合わせて生産水準をさらに高め、国内外完成車工場に向けた在庫分も確保。日産全体の稼働率向上につなげる考えだ。日産は10月中に世界でフル生産に回復し、11年度の世界販売を過去最高だった10年度の418万5千台を上回る計画を掲げる。