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土曜ワイド工場
 
プロに教わる超美味しい家ケーキのコツ


美味しいです!

ケーキが好きだ。
ふわふわのスポンジと甘いクリーム。小学生の頃、誕生日になると丸い(ホール)ケーキがテーブルの上に鎮座して、嬉しくてたまらなかった。

それは今でも変わらない。ケーキが大好きなのだ。しかし、買うと高い。丸いのを買おうと思うと平気で数千円はする。そんなお金はない。でも、食べたい。

じゃ、家で作ればいいじゃん! と思いついた。ケーキの原価は安いとケーキを作るプロであるパティシエが言っていた。問題は僕にケーキを作る知識が無いことだ。じゃ、教わればいいんだ! という事で、パティシエに家で作るケーキのコツを教わることにした。

地主 恵亮



家ケーキの限界

素人でも簡単に家で作れるケーキを学ぶべく、ケーキ作りのプロであるパティシエを僕の家に招いた。

僕は男の一人暮らし。
料理が趣味というわけでもないので、特別な道具はない。そんな状態でも作れるケーキを教えてくれとパティシエには頼んでおいた。


我が家にやって来たパティシエの地主さん

地主さんが作ったケーキ

パティシエは僕の弟だ。
身内の僕が言うのは何だが、彼が作るケーキはとても美味しい。なので、今回の家ケーキも期待していた。

しかし「家でも売っているケーキと同じくらい美味しいものを作りたい」と頼んだら、それはムリと言われた。どうしたって売っているケーキの方が美味しいらしいのだ。


ちなみにこれは僕です

ケーキに限らずかも知れないが、一回に多く作った方が絶対に美味しいらしいのだ。家では一回に1個くらいしか作らないが、お店では一回に何個も作る。そっちの方が絶対に美味しいと弟は言う。

なぜ? と僕は聞いた。
「たとえば、イチゴを1個にしないといけない場合、もともと5個あれば4個食べることができる。2個しかないと1個しか食べられない。たくさん食べたいでしょ? お店のケーキはイチゴが5個あるみたいなことなんだよ」と弟は答えた。


確かにイチゴはたくさん食べたいよね

具体例を挙げてもらった。
「たとえば、乳化させたくても、一般家庭では少量(たとえば100gとか)しか必要としないから上手く乳化しなかったりする。お店では1kgとか大量に使うから乳化しやすい」だそうだ。とにかく多い方が安定するらしい。

長いこの話をまとめると、お店のケーキの方が美味しいということだ。その前提を理解した上で、家でも作れる美味しいケーキの最善の方法を教わることにした。


必要な器具(あとオーブンが必須です)

ガトーフレーズを作る

今回は2つケーキを作る。まずは「ガトーフレーズ」。
名前は聞きなれないけれど、簡単に言えばイチゴのケーキだ。もっともシンプルなケーキだと思う。弟は誰でも作れるケーキだけど、もちろん美味しくするポイントはある、と言った。


弟が書いてきたレシピがフランス語

材料(サイズは15cm)
…以下はスポンジ部
・卵 3つ
・グラニュー糖 100g
・薄力粉 80g
・バター(無塩) 20g
・牛乳 20g
…以下はクリーム
・生クリーム 300g
・グラニュー糖 24g
…以下は飾り
・イチゴ 適量


専門的な材料は必要無く、スーパーで安価に揃うもので作れるところも嬉しいポイントだ。

フカヒレとかと言われたら困った。これを食べなきゃ美味しいケーキは作れないとか言って。僕が弟の立場ならそんなこと言って困らせるはずだ。弟は性格がいいらしい。親の教育方針は間違っていなかったようだ。


量る

「絶対に量れ」と弟は言った。
晩御飯を作る時などは目分量で調味料を入れたりすると思う。しかし、ケーキ作りでは絶対に量らないとダメらしい。お店でも絶対に量るそうだ。

長くやっていれば感覚で分かりそうだけれど、絶対に量るとのこと。料理と違って「不味くて食えない!」なんてことがケーキは少ないと思うが、それはこの「量る」ためだそうだ。


絶対に量る

ケーキ作りのコツ
絶対に量る

 

手順も簡単!


手順
(1):卵とグラニュー糖を混ぜる
(2):バターを牛乳で溶かして温めておく
(3):薄力粉を(1)と混ぜる
(4):(2)を(3)を混ぜる
(5):型に入れてオーブンで焼く(170度で25分)
(6):クリームを作りデコレーション


たった6つの手順で出来てしまう。
ミニ四駆の方がもっと手順があったと思う。そんなに簡単なのかと思ったけれど、だからこそ他と差が付くポイントがあるのかもしれない。早速作ろうではないか、弟が。


兄はメモるだけ〜

空気を抱かせろ!

まず「卵とグラニュー糖を混ぜる」ところから始まる。
その際のポイントはとにかく「空気を抱かせる」ことだ。泡立て器を大きく動かし、空気を多く抱かせるように心がける。何度も何度も弟は「空気を抱かせろ」と言っていた。


卵に熱をつけるとさらに空気を抱く

フライパンに湯をはり、卵の入ったステンレスのボールをそこにいれ温めながら混ぜていく。その方がより空気を抱く。

しばらくすると、フライパンからボールを出し、空いたフライパンに今度は「バターと牛乳を入れたボール」を入れ、バターと牛乳を40度〜50度に温める。


バターと牛乳を温める間も、卵に空気を抱かせるべく混ぜ続ける

僕は見てるだけ〜

ケーキ作りのコツ
空気を抱かせろ!
・卵に熱を与えてかき混ぜる

とにかく空気を抱かせる >
 

 
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