旅行先に行くと、観光客のカメラ所有率に驚かされる。中には本格的なカメラを持つ人もいるが、近年はデジタルカメラ、もしくは携帯カメラが大半だ。


しかし一昔前まだカメラが高級だった時代。今のデジカメに変わるのは、使い捨てカメラと呼ばれるレンズ付きフィルムだった。
日本人はカメラ好き。と、世界から揶揄されるが、確かにそうかもしれない。それにしても一世を風靡したレンズ付きフィルム。今のデジカメ・携帯カメラ全盛期に、いったいどうなっているだろうか。


レンズ付きフィルムが登場したのは1986年7月。富士フイルムが“写ルンです”を作り出したのが最初だそう。
使い捨てと言われるが、実際はその本体の9割以上がリサイクル可能なのだとか。

そんな使い捨てカメラの代名詞ともいえるこの写ルンですは、現在までに80種以上の機種が発売されたと言う。
その内容についてもパノラマ、望遠、接近、防水、ゴルフ、デートなどなど多種多様な用途や機能だ。時代の変化、求められるものなどによって使い捨てカメラはさりげなく進化していた。

現在は8種類が発売中で、「夜撮り」、「部屋撮り」など機能が特化したものが多い。
 
しかし機能が増えても、デジカメなどの選択肢が多い今の時代、購入層はそれに惹かれるだろうか。

周囲にきいてみると、実はこのカメラ、まだまだ需要が高いそう。
デジカメや携帯などの精密機器では持って行くのがためらわれる高所、高温多湿、または雪や水場などなど。このカメラが活躍するそうだ。
または電池が切れた、容量が埋まってしまった。
など、いざと言う時にもこの手のカメラはお役立ち。
昔より扱われる数は減ったものの、コンビニや観光地などに行けば必ず販売している。撮りたいときにすぐ買える、その安心感も嬉しい。
何より凝った動作が必要ない。巻いて撮る。このシンプルさは魅力的で、難しい動作を嫌うお年寄りの間で人気上々だそう。
鞄に入れて持ち歩く人も少なくないと言う。
やはり日本人はカメラが大好きなのだ。

デジカメなどと違って、フィルムカメラは撮った写真をすぐに確認できない。恥ずかしい写真を撮ってしまうと現像へ行くのもちょっと勇気がいる。
しかし旅行後に現像に出した写真を眺め、改めて楽しめるのは大きな利点だ。

このゴールデンウイーク、久々に使い捨てカメラを持ってお出かけしてみては。

(のなかなおみ)