<ヤクルト7-3中日>◇6日◇神宮

 中日の谷繁元信捕手(42)が、捕手3人目となる2000安打を達成した。ヤクルト7回戦の6回に押本から右前打を放ち、プロ野球史上44人目となる快挙を達成した。

 落合博満氏のコメント

 祝福のコメントを求められても「おめでとう」はまだ言わないよ。もちろん、打者として1つの節目となる記録をクリアしたことは素晴らしいことだと思う。ただ、彼は2000本だけにこだわってプレーしてきた選手ではない。打撃だけではなく、捕手として守備での貢献が評価され、コツコツと試合に出続けてきた。安打数はその結果として付いてきた数字。本人にとっても、この記録は通過点でしかないんだろうと思う。

 彼には安打よりも、強い思い入れがある記録がある。ノムさん(野村克也氏)が持つ最多試合出場記録(3017試合)だ。誰も抜くことができないと言われていた数字まで、あと200試合余りとなった。これからも、今まで通り1試合1試合を大切に。2000本に満足せず、誰も成し遂げたことのない大記録への挑戦を続けてほしい。

 ノムさんの記録を超えて、次世代まで「この数字は誰にも抜けない」と長く語り継がれるようなところまで伸ばしていってほしい。その時になって初めて「おめでとう」と言わせてもらいたい。(日刊スポーツ評論家)