アップデートでは2件の脆弱性を修正しており、Chrome 21からWindows XPでもFlashのサンドボックス化を実現したことも明らかにした。
米Googleは8月8日、Webブラウザ安定版「Chrome 21」のアップデートを公開した。Mac、Linux、Windows、Chrome Frame向けとも「21.0.1180.75」が最新バージョンとなる。Chrome 21ではサンドボックスでセキュリティを強化したFlash Playerを、Windows版Chromeの全ユーザー向けに提供開始したことも明らかにした。
Googleのブログによると、8日のアップデートではPDFビューワに関する2件の脆弱性に対処した。危険度はいずれも4段階で上から2番目に高い「High」と位置付けている。このほかに日本語の文字が中国語で表示されてしまう問題やFlash関連の問題など、複数の不具合を修正した。
Flashのサンドボックス化については、GoogleとAdobeが協力して旧式なNPAPIアーキテクチャからサンドボックスに対応したGoogleのPPAPIプラットフォームへとFlashを移植する作業を進めていた。
この成果としてChrome 21からはWindows XPでも初めてFlashのサンドボックス化を実現し、Windows版のFlashが全てChromeネイティブのサンドボックスと同様にセキュアなサンドボックス内部で実行されるようになったという。さらにNPAPI関連の複雑なレガシーコードを取り除くことでFlashのクラッシュが約20%減少するなど、安定性も大幅に向上したとしている。
PPAPI版のFlashをMac OS X向けに移植する作業も進行中で、間もなく提供開始できる見通しだという。Linux向けには既にChrome 20からPPAPI Flashが組み込まれている。
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