SEVと自転車業界。スポンサーと選手と……。

こういうややこしいエントリーは苦手なのだけれども、悔しいなあ、悲しいなあと思うので、記録として書く。
新城幸也選手(Bboxブイグテレコム)×SEVトークショウinサイクルモード東京

この動画。いたたまれない。
SEVというフシギなパーツがある。
わかりやすいので、Y's Roadという東京で大きくチェーン展開している自転車屋さんのページを参照されたい。画像も下記URLからの引用です。個人名と写真はぼかしました。
http://ysroad-kanpachi-r1.com/sev-staff.html



一番凄いのはやっぱりこれかなあ。

SEV メタルコンパクト
6枚1パック ¥4725
柔軟性のあるもの(ゴムなど)に貼りやすい小型タイプ。自転車ではワイヤ&オイルブレーキラインへの装着がオススメです。
昨年のファンライド誌上での紹介の際にも、ロードブレーキのアウターにつけたコレを試して関係者一同「...あっ!これ違うわ!」と納得した思い出(?)のアイテム。MTBではオイルブレーキのライン各部とキャリパーへの装着がいいかもしれないですね。他のメタルデバイスと同じく、両面テープタイプですが、セロテープやタイラップで試験的に固定してみても効果に影響はありません。サイズは17mmx6mm

……シールをワイヤやオイルブレーキラインやロードブレーキのアウターに貼り付ける。セロテープでもタイラップでもOK。それだけで「何がしかが『良くなる』」そうな。
SEVの公式サイトによると、http://sev-sports.com/sports/sev_metal_compact

太陽物質が小さなマテリアルまでカバーできるサイズを採用し、シューズやゴルフシャフト、釣竿、自転車のブレーキ/ワイヤー、テニスラケットまで用途は、様々。

夢の万能グッズらしいが、テニスラケットと自転車のブレーキに同じものを貼って、一体どういう効果が……。どういう仕組みで? 第一、太陽物質って。
http://sev-sports.com/sports/sev_athlete_device_air

マルチユースで使用できるアイテム。身体の鳩尾付近に張ることにより呼吸機能の向上を図れる。またペットボトルに巻きつけると、飲みやすいスポーツテイストになります。サーフボード、スキー、スノーボードにも活用できる。
製品名:SEV アスリートデバイスエア
価格:¥10,237
サイズ:W50×H70(mm)
製品内容:本体5枚セット

「またペットボトルに巻きつけると、飲みやすいスポーツテイストに」……。鳩尾につけることで、血液もスポーツテイストになるっていうことですかね?(スポーツドリンクテイストじゃないから、甘くなったりはしないのか?)
SEVの科学的な考察や販売方法などはこちらの記事などを参照。
http://alfa156.sakura.ne.jp/zakki_010.html
http://alfa156.sakura.ne.jp/zakki_011.html
http://alfa156.sakura.ne.jp/zakki_012.html
東京の自転車チェーン店Y's Roadでは、私が初めてクロスバイクを買ったとき(大井町丸井の中の店舗だった)、2002年ぐらいから扱っている。私が初めてSEVを見たのが多分Y'sだったと思う。貼ってあるチラシを見てポカーンとした。
新城幸也がSEVのスポンサードを受けていることは、『Bicycle21』http://www.rising-publish.co.jp/の広告を見て知っていた。愕然とした。サイクルモード前だったと思う。確認できないのは、それを見てがっくりして買うのをやめたから。記事の内容も読んでいない。
そして最近になって、女子ロードレースでUCIプロチームを目指すReady Go Japan(RGJ)も12月に入ってSEV絶賛の記事を上げた。
http://readygojapan.cocolog-nifty.com/blog/2010/12/sev-46ec.html
2chでY'sが鼻で笑われていたネタの一つがSEVだった。みんなで「ばっかじゃねーの?」といえる雰囲気があるならいい。
でも、新城だよ? みんなが期待して、胸を膨らませて、来年どうなるんだろう?とわくわくしながら見つめている、新城だよ? ……とても鼻で笑える存在じゃないよ……。
RGJだってそうだよ。色々大変な中、頑張っているんだもん。年端の行かない女の子だよ。彼女らに何の決定権もないんだよ。「そんなのは嘘っぱちだ」って言いたいよ。
でも、このトークショーは泣く。
スポンサーだから仕方がないし、スポンサーを選べるような余裕がないこともわかる。
勿論新城は褒める。プロだから!! スポンサーだから。ああ、プロの仕事だよ。頑張ってるなあと思うよ。だから切ないんだよ。
自転車選手が、スポンサーから提供されているサドルやフレームを、自分に合わないのを我慢して使いながら、「これはいいですよ!」というのとは、少なくとも私にとっては次元が違う話であるように思える。
それにしても、こんなものを、こんな風に自転車業界に、あるいは自らの生活に持ち込まざるを得ないのだと、そう判断したという事実が悲しい。もし本当に信じているんだとしたら、なお悲しい。せめて信じていないことを願う(科学なら信じるとか言う話じゃないはずだしねえ)。
そして今のこの状況も、「自転車ロードレース」などというマイナージャンルにスポンサードできるほどの大量の余剰金を、これまで沢山の人がこの金属の板に投じてきた歴史の結果だということも悲しい。SEVの場合は主に車業界だろうから、そんな巨大なパイ(ユーザーも膨大だし、単価だって自転車とは文字通り桁が違うはず)から吸い上げてきたとんでもないお金の一部が、こうして今自転車業界に回ってきたんだ……。
http://ysroad-funabashi.com/2010/10/sev.html
http://www.cyclowired.jp/?q=node/48116
新城幸也やRGJの子たちの成績は、SEVのおかげじゃなくて、血と汗と涙がにじんだ努力の結果だと思っている。
twitterでのハッシュタグは、「#sevbike」→http://twitter.com/#search?q=%23sevbike