国土交通省はこのほど、3大都市圏の鉄道混雑率を調べた2011年度の集計を発表した。

中央・総武緩行線の電車。昨年度は錦糸町~両国間で201%の混雑率を記録した

今回の発表では、東京圏の主要区間の平均混雑率は164%で、前年比2%の減少。大阪圏は123%、名古屋圏は127%で、こちらも前年より減少。3大都市圏すべてで、過去30年間において最も低い数値を記録した。

これについて、同省では、東日本大震災による輸送人員の減少も考えられる一方、新線の建設や既存線を結ぶバイパス線の整備、幅広車両の導入など、官民を挙げた輸送力を増強する取り組みも数字に表れたものとみている。

ただし、依然として混雑の激しい区間もあり、首都圏の15区間で、「新聞を広げて楽に読めない」とされる180%以上の混雑率を記録した。中でも東京の東側から通勤客が利用する区間の混雑が激しく、昨年度の最混雑路線はJR総武緩行線錦糸町~両国間で201%、JR以外の私鉄・地下鉄の最混雑路線は東京メトロ東西線木場~門前仲町間で199%。ともに、「体が触れ合い相当圧迫感のある」200%前後の混雑率が続いていることがわかった。

同省は2015年までに東京圏のすべての区間の混雑率を180%以内に、それ以外の大都市圏のすべての区間の混雑率を150%以内とする目標を立て、とくに都心から空港・郊外直結鉄道の新線の調査を国に要求するなど、今後も混雑緩和に向けた施策を進める考えだ。