幻冬舎の謹告に関して

今回「COMIC BOX ジュニア182号」で起きている問題は、
全て当社が負うべき責任であります。
掲載作家さまには、問い合わせや、批難という形でご迷惑をお掛けしてしまったことに
謹んでお詫び申し上げます。
協力していただくにあたり当社は作家さまへ、ヘタリア関連の企画掲載に関して
問題がない旨を説明しております。
当社のパロディに対するスタンスは今も変わるところはありませんが、
思わぬ波紋を呼んでしまったことは予想外であり、読者のみなさまの心情について
当社の考え方が浅かったと言わざるをえません。

掲載にあたり作家さまの判断を問う声がありますが、
全ての発行責任は当出版社にあること、
また当社が作家さまに「問題はない」と説明をした時点で
一切の責任は当社にあり作家さまにはありません。
作家さまが当社へ「掲載にあたり問題がないか」と問い合わせた行為が
充分に作家さまの責任を果たされているということをご理解下さい。

今回の名指しでの謹告は大変不本意であり、心苦しく感じています。
夏コミ及び近近のイベント参加への自粛要求や、
開催予定イベントに関する不利益な発言、
作家さま自身を問題に上げたインターネット網での感情的な発言は
上述の通り責任問題が当社にあることより、
謹んでいただけるようお願い申し上げます。

この問題で作家さまに迷惑がかからないよう、また万が一の損害に関しても
当社が責任をもって対応していきたいと考えております。
再度になりますが、責任の全ては当社にありますので
作家さまへの問い合わせは控えて頂きますよう、お願い致します。

以下、当社がパロディ作品を掲載するにあたり問題がないとしている論拠を記します。

(09.12 幻冬舎ヘの答弁書一部抜粋・改変)
『幻冬舎指摘の作品は、いずれも「ヘタリア」、「ヘタリア2」の幾つかの登場人物を利用し、婦女子の読者層を当て込んで、ボーイズラブ(BL)の少女漫画としてパロディ化したものである。オリジナルの絵を元にして自分自身のキャラクターや絵を作り出し、全く独自のストーリーを展開しているのであって、複製・翻案とは異なる。原作における登場人物の利用は古くからある擬人化、或いはパロディの手法のひとつである。

ヨーロッパではフランスを中心に、古くからパスティーシュ(パロディ)小説(訳すと模倣小説)のジャンルが確立されており、原作のキャラクター・設定・ストーリーを踏襲して作品をつくるが、これは原作の著作権を侵害したことにはならないし、独立した著作物として認知されている。

日本でも、他の作家の語り口・設定をそっくりに真似て全く別の作品を作ること(パロディ小説)は前々からあったが、パロディ漫画のジャンルは、1970年代初め頃から出始め、今ではサークル数は全国で1万を越え、同人誌は、500万人の集客力のあるコミックマーケットの販売会の主流を占めるに至っている。

パロディ漫画(BL)は、日本の所謂「おたく文化」の中核と言えるものであるが、今や世界的に高い評価を受けている。手塚治虫も、パロディを漫画の核心だとしている。何人にもこの文化的価値を潰すことは許されない。

原作をコピーしたに過ぎないようなものは一切取り上げていない。』

改めまして、この度の件でご迷惑をお掛けした作家さまならびに読者のみなさまに
謹んでお詫び申し上げます。

株式会社ふゅーじょんぷろだくと
2010年7月30日

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