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西條剛央のブログ:構造構成主義

西條剛央のブログ:構造構成主義

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西條剛央

西條剛央

2011/05/17
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カテゴリ:東日本大震災
津田大介@tsudaさんと加賀谷@TKMさんらと一緒に立ち上げた「ガイガーカウンタープロジェクト」始めます。HPの「支援物資のご登録」からご登録ください→http://p.tl/c9MV

半減期の短い放射性物質は安全と思われていますが、そうではありません。それだけ短期間にそれだけ放射線が出るということです。「短期的には半減期が短い方が危ない」のです(新刊『激変する核エネルギー環境』(池田清彦著)の序章を参照。→http://p.tl/Jm_n

他方で、放射能は絶対危険だ!いや絶対安全だ!という信念の話になってもしょうがありません。それは科学的な議論ではなく、信念以上の話にならないためです。同じ福島といっても同じ市であっても場所によって危険度はまったく違うのです。同じ日本といっても違うのと同じようなものです。





ですからでは考え方を変えたいと思います。ここでは一旦そうした信念は置いておいて、現場の判断に任せるのです。ただし今問題なのは、現場が判断できる材料がないということです。僕らがテレビで観る以上の情報がないのです。これでは判断のしようがありません。

「ガイガーカウンタープロジェクト」では、全国からガイガーカウンターを集めて、必要としている避難所や小学校、保育園などに配ります。もちろん測定の仕方や読み取り方などのマニュアルも一緒に送ります。それによって各自が安全度をチェックできるようにするのです。警報がなれば信念の入り込む余地はありません。

おそらくこれしか、現地で起こっている、このまま留まるべき、いや疎開すべきという信念対立を超える方法はないと思います。外部からいくら叫んでも、現地に留まりたいという欲望を変えることは容易ではありません。実際に地域によっては留まるのが妥当な判断ということも十分にありうるのです。

僕らにできる福島原発近隣の方への支援は、各自が判断する材料となる一時情報を得るツールを送ることだと思います。様子をみていたのですがどうも買い集めるだけでは難しそうなので、いちはやく買った方に全国から送っていただくしかありません。





未来のある子ども達が取り返しのつかない被爆をするのは避ける必要があります。しかしそれは内部の人が本当に危ないんだと思わない限り、外部で騒いでも実効性はありません。自己判断できる装置を送るのが一番です。警報アラームがなって無視することはできないでしょう。逆に安全な地域は留まれます。

恐怖の条件とは見えないことです。なぜか。避けることもコントロールすることもできないためです。他方で見えないが故に、ここに留まりたいという欲望の前では(自分の家や地域に居たいと思うのも自然なことです)一度完全にないことにしようと思い定めれば無視することもできます。

放射能が可視化できないゆえに、現地でもこうした二極化と信念対立が進んでいます。放射能は信念の問題ではなく科学の問題なのです。このままだと取り返しのつかないことが起こります(すでに起こりつつあります)。

個人でも企業でも自治体でもよいです。一応買ってみたけど使わないからぜひ被災地で使って欲しいという方。レンタルでも何でもかまいません。機種も問いません。特に未来ある福島の子ども達のために提供できる方はこちらからご連絡ください。必ず届けます。→http://p.tl/c9MV







ふんばろう東日本のHP(http://fumbaro.org/)でも福島の避難所をクリックするとガイガーカウンターを希望する避難所は散見されます。現地に行ったときに使うために持っている人もたくさんいます。そのときは返してもらうという形でもよいですので、普段は現地の人に預けてもらえないでしょうか。

危険だ危険だと外部からは声があがっています。しかしそれは内側にいる当事者には、同じ関心を共有する人にしか伝わっていません。おおざっぱな測定結果に基づく叫び声は、自分達は大丈夫だという“例外の壁”を越えることはできないのです。

ガイガーカウンターの種類によって使い方や適切な測定の仕方が変わってきます。科学的な訓練を受けたことがあるかたはわかると思いますが、測定装置はツールであって、ちょっと使い方を変えるだけで測定値は大きく変動します。そうした使い方のリテラシーもまとめていく必要があります。

放射線の安定した測定値を算出できるよう計測方法を定めて、携帯から測定値をアップできるようにして、サイトに集約する。それを地元新聞やラジオ、テレビなどのメディアに載せてもらう。

これによって地元の人が自分たちで測定した値に基づく“判断材料”を提供しようということです。原発賛成反対という主義主張はひとまず置いておいて、判断材料となるような科学的なデータを民間主導で集めようということです。





今でも思うのは、なぜ国や東電が積極的にガイガーカウンターを大量に集めて福島原発近隣に配らなかったのかということです。どう考えても必要なことなはずです。そうすると配らなかった理由があるんじゃないかと勘ぐってしまうわけです。これまでの“後出しジャンケン”をみていればそう考えてしまうのも自然なことです。

まあ、そんなこといってもしょうがないので、僕らはとにかく前を向いて「ガイガーカウンタープロジェクト」を進める他ありません。有志の皆さんが送ってくだされば何百という個数は集められるはずです。

もちろんすでに相当な有志が現地で活動されています。話を聞くと本当に頭が下がります。ある放射線量が高い砂利道があり、そこは危険という情報を測定している人もおられます。そういう有志の方のネットワークを広げていくために福島支部を立ち上げます。

ガイガーカウンター集めと、正確な放射線測定のネットワーク作りの情報ステーションを基盤とした、福島原発近隣エリアの支援体制を作っていくというのが、福島支部の大きな役割となります。





http://www.safecast.org/jp これを測定方法を統一して精度を上げ、福島近隣だけで1000以上の観測点にして、住民が携帯からアップした情報がサイトに集約、ビジュアル化されて新聞やテレビに流れるプロジェクトです。

「ふんばろう東日本」http://fumbaro.org/をみても、福島への支援は明らかに少ないです。色々な理由があると思いますが、やはり放射能が最大の問題です。輸送も届かないところがあるし、ボランティアもいかないし、住民の意見も割れている。放射能が可視化されていないためです。

見えないことによって関心によって判断が二分してしまうのです。リスク管理に関心があれば「すべて危険と見なして全員逃げるべき」となります。他方で住み続けたい、あるいは住ませ続けたいことに関心があれば「安心と見なして留まり続けるべき」となります。放射能を契機とした信念対立です。

政府発表のスピーディは、ジョークとしか思えないほどスピーディではないですし、そうしたタイムラグそのものが信頼に値しないといわざるをえません。政府や東電はパニック防止に関心があるのは明らかですから、そのデータだけを信じろといわれてももはや難しいでしょう。

測定方法を統一して精確なデータを得られるように訓練した上で、現地の人が、自分たちで身の回りの地域を測定して、この砂利道は危ないとか、こっちはけっこう平気だとか、細かくデータを収集していき、携帯の位置情報と連動させてデータを入力し、それをサイトに集約させ、ビジュアル化する。

それによって、ここに近づかなきゃ大丈夫とか、住んでいるところもこのままだとまずいとか、それでもここで生きて死にたいとか、子ども達のために疎開するとか、それぞれの生き方に照らしながら、自分達で判断できるようにするのが大切なことです。

「他人に迷惑をかけない限りにおいて、人は自由に生きる権利がある」というのが、近代に広まった原理です。ただその判断の材料はやはり与えなければいけない。データをタイムリーに公開せず「こんなはずじゃなかった」と思わせることは、明らかにこの原理に反しています。

グーグルマップ上に町内会レベルの、決め細かい信頼に足る放射能データが出るようになれば、輸送も支援もボランティアもちゃんと届くようになるでしょう。逆にいえばそれがないうちは、命知らずの特攻隊しか行かないことになるため、持続可能な支援は成立しないのです。

ですから「ガイガーカウンタープロジェクト」は、福島の持続可能で実効性の高い支援を成立させるための基礎となるものです。これなくしては、他県と同様の支援を行うことは難しいでしょう。原発問題特有の地ならしが必要ということです。

なお、ガイガーカウンターによる地域の放射能能動の把握と、フィルムバッチを使った個々人の被ばく量測定は矛盾するものではありません。地域の現状把握と個人総量把握の双方を組み合わせることで、より実効性の高いプロジェクトにすることができます。

ガイガーカウンターを提供できるという方、HPの「支援物資のご登録」からご登録ください→http://p.tl/c9MV





とはいえ、津波主被災地と福島原発のどちらが重要ということはありません。津波主被害地は何万人もの人が亡くなっており、何十万という人が家族や家、仕事、地域を失っています。すでに起きてしまった悲劇であり進行形の悲劇でもあります。原発は進行形の刺激であり、未来に渡る質の異なる悲劇です。

あまりにも広大で甚大で人災まで混じったこの複合大震災を目の当たりにすると、あまりに途方もない道のりに気が遠くなるときもありますが、めったに出会えないような志と行動力を兼ね備えた皆さんと日々出会えることで、これなら必ず構想を実現し、この苦境を乗り越えられると思えます。

ガイガーカウンタープロジェクトをはじめとした「ふんばろう東日本福島支部第一回ミーティング」を行います。5月29日(日)14時~18時30分 場所:郡山市労働福祉会館 福島県郡山市虎丸町7-7(19時~懇親会予定) 関心のある方はどなたでも参加できます。皆様奮ってご参加ください。http://p.tl/QUnG


登録フォーム→http://p.tl/WNvj





以下拡散希望文章
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【拡散願】@saijotakeo 津田さん加賀谷さんらと立ち上げた「ガイガーカウンタープロジェクト」。ガイガーカウンターを大量に集めて、測定方法を統一して住民に配布、情報を集約して公表します。「支援物資のご登録」からご登録ください→http://p.tl/c9MV


【拡散願】@saijotakeo ガイガーカウンターを集めることができる方、使い方などに詳しい方、マニュアルをまとめることができるという方はぜひ「ガイガーカウンタープロジェクト」にご協力ください。僕に@してください。フォロー&DMします。

【拡散願】@saijotakeo ふんばろう東日本福島支部第一回ミーティング。5月29日(日)14時~18時30分 場所:郡山市労働福祉会館 福島県郡山市虎丸町7-7(19時~懇親会予定) 関心のある方はどなたでも参加できます。皆様奮ってご参加ください。http://p.tl/QUnG




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(早稲田大学大学院商学研究科MBA講師 西條剛央 Twitter(saijotakeo))

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・西條剛央・岩上安身対談Ust中継→http://p.tl/Wsnb

・西條剛央×GACKT×川崎麻世鼎談(「今ぼくらに何ができるのか?--みんなの思いをつなげる新たな支援システムの提案」)、Ust→http://www.ustream.tv/recorded/13965863






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Last updated  2011/05/19 08:58:51 AM
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