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チャンネルAJER更新しました。
『日本維新の会の皆様へ①』三橋貴明 AJER2012.12.18(1)

http://youtu.be/oIRU_556Cqg

『日本維新の会の皆様へ②』三橋貴明 AJER2012.12.18(2)

http://youtu.be/-r7ZtQu_uB0

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【2013年1月11日 江別商工会議所 新春経済講演会】
http://www.ebetsu-cci.or.jp/ibent/h25keizai/h25keizai.html

【2013年1月21日 羽島商工会議所 新春講演会】

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_40.html#Hashima

【2013年1月31日 日本経済復活の会設立10周年記念パーティー】
http://tek.jp/p/meeting.html

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 さて、昨日 の続きです。


「公共投資のために国債を増発すると、国の借金で破綻する!」 
 ですが、この「財政破綻」系破綻論は、本当に歴史が古く、1980年代から盛んでした。例えば、わたくしが時折笑いものにしている森木亮先生(三十年間、予想を外し続けた男!)は、1983年の時点で、「財政崩壊-せまりくる昭和60年の複合危機」(産能大)を出版しています。同書の冒頭から引用いたしますが、
「第二の理由は、ますます増え続ける国債発行残高だ。五十八年度予算については、各種の特別会計の積立金を崩すことによって税外収入をふやし、国債の発行を表面的に減らそうとした。しかし、これは財政内容の悪化をもたらす。その意味で二六・五%(五十八年度)という国債依存度は一時しのぎのまやかしの数字で、財政の実態が悪化していることを隠すための粉飾予算に過ぎない。歳入欠陥五十兆円は隠れ国債であり、「国債百五十兆円」の到来も近い。まさに財政羅針儀の再構築にせまられている。(「財政崩壊-せまりくる昭和60年の複合危機」P1より)
 と書いています。


 それで、現在(2012年6月末時点確報値)の国債の状況を見てみると、こんな感じです。


【2012年6月末時点(確報値)日本国債の所有者別内訳(総額:773兆円)】

三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_40.html#JGB12Q2


 わ~おっ! 森木先生が「財政崩壊」を書いた時点と比べ、国債発行残高が5倍超に達しております。ところが、長期金利の方は相変わらず0.7%台でございます。この「現実」を見て、
「なぜ、政府の負債残高が増えたのに、国債金利は上がらないのだろうか・・・・」
 と考え始めれば、経世済民を目的とする「政府」と、営利を目的とする「企業」が全く異なる存在であることが分かるはずなのです。あるいは、日本円という「通貨」の意味も、「通貨と国債の違い」についても、いずれ分かってくるでしょう。(詳しくはNHKで紹介されていたという噂の「日本は「国債破綻」しない! 」をご一読ください。)


 ところが、財政破綻論者たちは、
「自分が警告をした時点と比べ、借金が五倍に膨らんだんだ。破綻しないわけがないだろう!
 と、まことに自分に都合がいい思考経路をたどるのです。何が都合がいいかといえば、
「ほら見ろ! 前よりもさらに破たんリスクが高まった!」
 とか考えていれば、自分が間違えていたという現実を認めなくて済むためです。さすがに「三十年間、間違い続けた」ことを「言論人」が認めることは、これは不可能に近いかと存じます。というか、三十年間も予想を外し続ける言論人など、「評論家」というよりは「コメディアン」でございますね。


 こんなことを書くと、

我々、財政破綻論者への愛はないのか~っ!!!

 とか言われそうですが、そんなものありませんからね、わたくしには。


 さて、インターネットなどを通じ、
「100%日本円建ての日本国債のデフォルトは有り得ない」
 ことが、国民に周知され、ついに上記を理解した政権(財務省が最も嫌がる政権)が誕生しようとしています。何しろ、明日発足する政権は、
「デフレ脱却のために、建設国債を発行し、公共投資で国民の所得、雇用を創出する」
 と、財務省が最も嫌悪する政策を前面に打ち出し、選挙に勝ち、民意を得てしまったのです


 これに対し、
「そんなことをすると、国債暴落(国債金利急騰)で政府がデフォルトする!」
 などと今まで通りやったとしても、
「いやちょっと。自国通貨建ての国債がデフォルトするはずないじゃん。大体、日銀とのアコードを結ぶから、買いオペで国債を買い取ってもらえるし」
 と言ってくる(というか、やってくる)わけです。こうなると、さすがに「デフォルト」という言葉は封じられてしまいますので、今度は、
「日銀が国債を買い取ると、ハイパーインフレーションになる!」
 とやるしかないわけです。ところが、現在は上記のような「データ」が政治家の間でさえ出回ってしまっていますので、
「おいおい(苦笑)。データ見てごらん。日銀はすでに国債買い取っているけど、ハイパーインフレとやらになった? というか、日銀の国債買取がダメというなら、通貨発行できなくなるじゃん。日銀いらないじゃん。しかも、現在はFRBもECBも、BOEも国債買いまくっているけど、アメリカ、ユーロ、イギリスのインフレ率がどうなっているか知ってる?」
 と返されることになります。


 そうなると、彼らはどうするでしょうか。所詮、データを基にした議論では勝ち目がないので、またもやフレーズを活用した「印象論」で不安を煽るという手に出てくるわけです(彼らが改心することはありません)。


国債、高まるリスク 外国人の保有割合が急伸
http://www.asahi.com/business/update/1222/TKY201212211092.html
 日本銀行と外国人投資家が持つ日本国債の量が、今年9月末でそれぞれ過去最高になった。日銀の保有残高は初めて100兆円を突破。国の借金を日銀が支える構図が強まる一方、「逃げ足」の速い外国人のお金も流入。ひとたび財政不安になれば、国債が一斉に売られるリスクが徐々に高まっている。
 日銀が21日に発表した資金循環統計(7~9月)によると、日銀の9月末時点の国債の保有残高は104兆9250億円。前年比で22.0%伸びた。国債発行残高(約948兆円)に占める割合も11.1%で過去最高だった。
 日銀の保有割合が伸びたのは、金融緩和のために銀行から国債を買い入れて市場にお金を流しているためだ。2000年代半ばにかけては、世界的に景気がよかったため、国債の購入が減っていたが、08年秋のリーマン・ショック後、また増えてきた。 (後略)』


 上記は、国債だけではなく国庫短期証券も「国債」として勘定しているようです(統計では両者は分かれています)。というか、朝日新聞、国民に情報を伝えるのが商売なら、「国債(注:国庫短期証券含む)」と正確に書きましょうね。「事実を国民に正確に伝える」とか、社内研修でやらないんですか? あ、やらないのか


 上の図は国債のみですが、国庫短期証券も合わせたグラフは以下の通りです。朝日新聞は12Q3の速報値、わたくしのは12Q2確報値になります。


【2012年6月末時点(確報値)日本国債・国庫短期証券の所有者別内訳(総額:940兆円)】
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http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_40.html#JGB2


 まず突っ込んでおきたいのは、IMFですら「中央銀行の国債保有」に関しては、デフォルトリスク「ゼロ」と認定していることです(当たり前です。まあ、ECBは知りませんが)。例えば、日本国債の保有者が「全て」中央銀行だった場合、その国は金額の多寡とは無関係に「デフォルトリスク ゼロ」になります。(当たり前ですが、中央銀行に国債を持たせると、その分、インフレ率が上昇します。が、現在の日本は○フレでございますね。○に入る言葉が分かりますか? 朝日新聞


 というわけで、まず日本銀行の国債保有残高について「問題っぽく」書いている時点で、朝日新聞が「国民を騙そう」としている事実は明らかなのです。日本銀行が保有する国債は、事実上、政府の負債にはならないので、負債総額から削るべき(親会社・子会社の関係で相殺されてしまうため)だと思うほどなのですが、それを殊更にクローズアップしているのが朝日クオリティでございますね。


 さらに、外国人が保有する国債にしても、日本円建てに変わりはありません。例えば、外国人が「逃げ足早く」国債を1兆円分、売ったとして、手に入るのは日本円(1兆円)です。外国人は、その日本円(1兆円)をどうするのでしょうか。もちろん、外貨に両替して自国に持ち帰ろうとするでしょう。


 というわけで、外国人が国債を売ると、両替に応じた日本の銀行の手元に「日本円(1兆円)」が残ります。日本の銀行は、その「日本円(1兆円)」をどうするのでしょうか。今のデフレ続く日本では「「国債を買うしかない」」という話になります。日本円の需要(貸付先)は、結局は日本にしかないのです。


「日本円は消えない。国債が売られても、外貨に両替されても」
 という、当たり前のことを理解していれば、誰でも分かるはずです。そもそも、外国人が国債を売却したのが問題なら、日銀が買い取っても構わないわけです。まあ、そんなことをせずとも、普通に「日本の市中銀行」が国債購入に走り(銀行は過剰貯蓄の運用先を常に探しています)、外国人が国債を売ったところで「何も起きない」という、これまで通りのパターンが繰り返されることになるわけです。


 上記の通り、データやお金の動き(お金は消えない)について正しく認識していさえすれば、朝日新聞の「国債暴落」プロパガンダには騙されないでしょう。普通は、一般の国民はともかく、政治家はデータやお金の動きについて正しく理解しているものです。何しろ、常識の問題なのです。


 ところが、この国は数年前まで、ほとんどの政治家を含めた国民全員が「常識喪失」の状況に陥っていました。結果的に、的外れな政策ばかりが打たれ、事態(デフレ)を悪化させることを続けて来たわけです。


 とはいえ、現在は少なくとも本ブログのユーザ様(20万人以上いるでしょう)は、上記の「常識」について理解しています。当然ながら、政界でも理解した政治家が増えました。結果、財務省が焦ってきているわけで、今後も上記朝日新聞の記事に見られるような、
「ウソではないけど、正しい説明はしないで国民の不安を煽る印象操作」
 が繰り返されることになるでしょう。それに対し、こちらはどうすればいいのか。


 答えは、
正しいことを、繰り返し語る
 以外にはありません。しつこく、しつこく、語って下さい(特に、キーとなる政治家に)。そうすることで、安倍新政権が「正しいデフレ対策」を打ち続けることができ、我が国はようやく「経済成長」という、国家としての「常識」を取り戻すことができるわけです。


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