「Android 対 iOS」は「Win 対 Mac」の構図に見えない。

そもそも「売っておしまい」ではなく、「買って貰ったあと」の話であるなら、「Androidのシェア」という区切りにはあまり意味がない。アレは「プラットフォーム」〜ゲンミツには"消費者にプラットフォームと思って貰える存在"〜と看做すには、欠ける部分があるからだ。

  1. ADW.Launcherなど、独自のエコシステム〜専用のテーマやウィジェット群〜を形成しているランチャーは「統合デスクトップ環境」に片手を掛けている。
  2. HTCセンスなど、独自のapp配布SYSと融合した商材は、「独自のパッケージ管理システムを備えたディストリビューション」に片足を掛けている。
  3. ガラドロイドなど。独自のハードやサービスとの融合を進めた商材は、「Linuxベースのホームアプライアンス」に近い。

要するに、「Win対Mac」というより「Win対デスクトップLinuxを忠実になぞっている。個々の開発者さんがどうこうではなく、「総体としてのアンドロイドのイメージ」の話だ。

開発の自由度が高いのは結構な事だが、ソレで「開発天国・ユーザー地獄」になっては、そもそもナンのための開発なんだという話になる。かつてMacは「使うは天国・作るは地獄」と言われるほど開発者に労苦を強いたそうだが、基本はそういうものだろう。地獄にカネ払う客は居ないからだ。Win95の勝利は、開発者が「よりマシな地獄」に集まる一方、消費者が「よりコスパの高い天国」を支持した結果であり、あの構図は11Q1現在の「Android VS iOS」にはハメにくい。

11Q1現在のアンドロイドが「売れている」のは、「ジマンパワー」、「誰でも5分は話題王になれる」、よりクリアに言うと『大衆の好むものは三つある。新奇・新奇・そして新奇だ!』*1に依る。11Q1現在の「アンドロイド」は、この3条件を完璧に具備している。駄菓子菓子。この世界の動きは早く、お客は常に飽きっぽい。デスクトップLinuxに馴染みが薄く、ガラケー経験の厚い国内市場では、このパワーの持続時間はさらに儚い。長くても「人の噂も75日」くらいぢゃないか。

こうした中での「フラグメンテーションの進行」は、「Androidのシェア」が上がれば上がるほど厳しくなってゆく。ADWがアプリランキングの常連という時点で危機と言って良い。これは買った人が「こんなのよりGNOMEKDE、いっそうんと軽いのないものか」という悩みに引っ掛かり、ソコに滞留している事を示すからだ※。大多数の購入者は、遠からず飽きるか、疲れるか、次世代機のニュースに心奪われ、2年縛りに不満を高めるだろう。これには、所謂「情報強者」も含まれる。200kgイケる重量挙げの選手だって、ずっとそうして居たいとは限らないからだ。10Q4販売シェアの半分がスマホであるなら、11Q2にはこの状況は顕在化してくる筈だ。

※ADWは多機能で便利千万だが、著しく初心者向きでない。そこでLauncher Proのような、「よりわかりやすいソリューション」の情報が出回り始めている。

おそらく。Windows Phone 7の方が、生残性が高い。またiPhoneが1国1キャリアを捨てるタイミングが正確なら(aka.クックさんの臭覚次第になるが)、その実力に相対性のオーラを加える事ができるだろう。これらは「ひとつ」だ。意思も 決意も 大義もひとつだ!

Google自身が"デフラグ"〜ハードやUIの統制主義〜に出ない限り、総体としての「アンドロイド」が、プラットフォーム〜すなわち、サービスで儲けたり、有価Bit*2を売る場所〜のレベルに達する可能性は、ない。「アンドロイド」は議論のうちに自滅してゆくだろう。

※但し自家製Bit(SNS,メール,Office系)のプラットフォームとしては、盤石だろう。

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一方で、モノツクリに於ける日本の敗勢はもはや覆い難い。既に「ガラパゴス包囲殲滅戦」は目前に迫っている。

  1. アクティブに自家製Bit(SNS,メール,Office系)を作り倒すのはエジプト人の持つノキアでも充分である。
  2. 素ドロイドを安く作るなら、華為やZTEに敵うものはない。
  3. 独自性で高付加価値を獲るなら、サムスンやHTCのシェアがなければ開発投資のカネがない。

名機の一つや二つ生んだところでタイガー戦車でシャーマンには勝てない。比較優位が残っているのはデザインとカメラ回り程度で、その差を維持するだけの世界シェア=投資の原資もない。オサイフやワンセグなど日本市場の守りは堅いが、たたかいは数だよアニキ。命綱は「仁義なきMNPゼロサム」に相乗りした「陳腐化の二毛作」だが、コレ自体が陳腐化して久しい。報道類は日々「反転攻勢」や「Appleを追撃」などの大本営語でかまびすしいが、ここで勝利を掴んだところで、国内に工場雇用が増えるという性質のものでもない。

自分は国内企業がこの先きのこるには、農協類似のセーフティネットを築いて立てこもるか、「アンドロイドに参入という考え方」を捨てるべきだと思う。したがって;

■まず。GALAPAGOSの狙いは正しいと思う。しかし先行きはかなり厳しいだろう。

ホームの変更を赦さず、マーケットとも分離すれば「ユーザーの学習コストを最小化」できる。「アンドロイドの蟲毒壷」にはたきこまれる事もない。

しかしそれは「ガラパゴスのシェア」を確立してからの話で、GALAPAGOS自体はプラットフォームとして未知数の部分が巨大だ。大型・中型・スマホとハードウェアも初手から分散している。なかんづくスマホ系はキャリアの都合でGALAPAGOSを名乗れておらず(SBM以外)、アンドロイドとして売る為に外部マーケットの排除にも成功していない。そして、「コンテンツのラインナップ」が乏しい。

意図は分かるが、いっぺんに全部やろうとし過ぎだ。

■次に。PlayStation Suite(PSS)の方向はさらに正しい。

Windowsに、iTunesを潜り込ますようなものだからだ。これをできる条件が揃う事はあまりない。「他社が確立したアプリ・プラットフォームで自由な商売を赦して居り」、かつ「自社が確立したコンテンツプラットフォームを保有」してなければできないからだ。
このレア条件が揃った時に、「Androidのシェア」という区切りに意味が出てくる。「トロイの木馬の送り先」として、だ。ちなみにWin XPにiTunesを入れると、以下のソフトウェアがインストールされる。

※なんだかよく分からないものは、ダイナミックリンクライブラリの軍団らしい。

「Suite」という単語は、コレに類する事を「アンドロイド」でやる気のように思われる。ホームがなんだろうが、マーケットがどうだろうが、特定のアイコンさえ叩けば有価Bitを一元管理できるなら、それで充分「プラットフォーム」足り得る。

サムスンもHTCも、今のところは「確立したXXプラットフォーム」を保有していない。いわんや華為ZTEにおいておや。PSSは、これらが持つ「アンドロイドの機能」を損なう事なく、「独自機能を追加」し、わざわざ自社ハードを買って貰わなくても「アンドロイドのシェア」を「自社プラットフォームのシェア」にできてしまう、、、なにそのコバンザメw。と莫迦にしたものでもない。

Mac 対 Win」に例えるなら、コレの方が適当と思う。