批判されるのが嫌なんだったら、ツイッターやブログはやめて、Facebookに閉じた方が良い、という話。

 mixi売却のニュースが流れて騒がしい傍ら、やまもといちろうブログ方面から私宛のスルーパスが送られていたようなので、取り急ぎ反応。
イケダハヤト的なるもの: やまもといちろうBLOG(ブログ)
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 簡単にまとめるとイケダハヤトさんが、フォロワー2万人超えると下記の三つのことが起こる、と書いていたのに反応された模様。
① 会ったこともない人から日常的に罵倒・批判されること
② 発信の際の「恐れ」が無くなること
③「影響力の魔法」が使えること
 いつのまにか、イケダハヤトさんは切込隊長のウォッチ対象にもなったんだー、というのが感慨深いなぁという話は置いておいて。
 とりあえずフォロワー数激減のくだりは、そもそもおすすめユーザーに載せてもらって自動的に22万まで行ったのが、制度がなくなって安定して減少しているだけ。
 毎週毎週フォロワー数が減っているのを確認するのが辛いだけで、ツイッターの利用環境には特に何も変化はありません。
 
 で、これだけだとつまらないので、上記の話についでに乗っかりたいと思います。
 ちなみに、丁度ネタフルでコグレさんがスタンスをまとめられているんですが、三つのポイントについての基本的な感想は同じです。
[N] ツイッターでフォロワーが増えると批判・罵倒されるのか?
 実際、オンライン上で知名度が上がったり、読者が増えたりすることにより、批判する人が増える現象というのは、実はブログ時代から良く言われている話。
 個人的に記憶に新しいのは梅田望夫さんが2005年にブログで「500-3,000PV/日あたりが、Blogを書いていて、けっこう楽しいいいゾーンなんじゃないかな、と思ったりする。そのくらいだと、読みたいと意図して訪ねてくれる人がほとんどで、それ以上になると、背景を知らずに何かの拍子に飛び込んでくる感じの人が増えてくる。」という話を書かれていたこと。
 要はページビューが少ないブログの時は、ブログの書き手のことを知っている人や面識がある人が読者の中心なので、何を書いてもそんなに批判されることはあまりないんですが、PVが増えてくると他のブログ経由などで様々な書き手の背景を知らない人がブログに訪れるようになるので、当然趣旨が伝わらなかったり、批判されることも増える、という話。


 私自身も、アルファブロガー投票企画などを個人で企画していたこともあり、様々な人にブログを読んでもらえるようになると、いろんな批判を受けることが増えた経験があるのを良く覚えています。
 まぁ、そのあたりの昔話は下記を読んで頂くとして。
思いつきから始まったアルファブロガーアワードを8年間続けてみて、できたこと、できなかったこと。
 特に2006年頃は、はてなブックマークが全盛で、ブログのコメント欄と異なり書き捨て感覚の強いはてなブックマークには、辛辣なコメントが並ぶことも多く、そこに目を通すのが怖くなっていた経験すらあります。
 そういう意味では、イケダハヤトさんが、面識の無い人に批判される羽目になっているのに戸惑っている気持ちは分からなくもありません。
 ただ、そんな中で忘れられないのが、あるブロガーの飲み会で、「最近はてなブックマークのコメント欄が怖いんですよね」と話していた時に、モダシンさんに一括されたこの一言。
「そんなに批判が怖いなら、ブログなんてやめちまえ!」
 いやー、あの発言は今でも忘れません。ホントこっちの方が怖かったですからね。
(モダシンさん自身は泥酔していて全く覚えてないらしいんですが(笑)。)
 ただ、冷静に考えるとこの発言は本当に真理だなと思います。
 ブログやツイッターの普及で、情報発信が個人でも手軽にできるようになりました。
 ただ、情報発信が手軽にできるということは、知らない人に自分の意見を聞いてもらえるというメリットがある反面、その人から当然批判も含め厳しいフィードバックが帰ってくると言う双方向の関係にあります。
 そういう意味では、フォロワーが増えて批判者が増えるというのは、当たり前の現象だということができるでしょう。
 見方を変えれば情報発信したいことがある人にとっては、発信しても誰も見てくれなくて、誰も反応してくれないというのが一番恐れるべき状況なわけで。
 批判してくる人も、罵倒してくる人も、実際にはわざわざこっちの意見を貴重な時間を使って読んでくれているわけで、厳しい批評にしても誤解から生じた非難でも、売られたケンカとして捉えるのでは無く、自分を成長させてくれるアドバイスとして受け止めるべき何だろうなぁ、というのが私が6年前に出した結論です。
はてなブックマークで売られたケンカは買うべきか?
 もちろん、単純に罵詈雑言だけ投げてくる行為には心穏やかでいられないですし、匿名で筋違いな罵倒をされると、反論できないのが悔しくて昼飯ものどを通らなくなるタイプではあるんですが。
 ブログやツイッターは構造的に、発信した情報を誰でも見ることができますし、誰でもリアクションすることができるのが魅力のプラットフォーム。
 特にツイッターは片方向のフォローという概念や、アカウント同士が企業だろうが、芸能人だろうが完全に公平に扱われるのが魅力の一つです。
(最近はブランドページとか出てきたので少し変わってしまいそうですが)
 そういう意味では、知らない人に批判されるのが嫌な人がツイッターに嫌気がさして、実名登録必須のため公衆の面前で罵倒がしづらい構造で、双方向の友達承認が必要なFacebookに移っていくのは当然の流れと言えるんじゃ無いかなぁと思ったりします。
 ただ一方で、双方向のネットワークだと偶然の発見だとか、思わぬ出会いが意外に少なかったりするのも事実。
 Facebookも購読機能とかFacebookページだとか、ツイッターを意識した片方向の情報発信の仕組みは増えてきているので、今後どうなるかは分かりませんが、やはり超フラットなツイッターならではのメリットって言うのは、なかなか捨てがたいなぁと思うのは、私だけでしょうか?
 米国ではFacebookがmixi同様、双方向で承認が必要なある意味オードドックスな古いSNSなのに対し、ツイッターは片方向のフォローの仕組みを取り入れた新興勢力だったはずなんですが。
 日本では先にツイッターが流行って、あとからFacebookがはやり始めたので、Facebookの方が新しいという印象が強いのは面白い現象ですよね。
 まぁ、やまもとさんの最後の「そろそろ全般的にTwitter自体の勢いが衰えてきてないですかね」という指摘には、私も思うところがあるのですが、それはまた別の機会に。