自動走行車で参拝も 永平寺参ロードで実証試験 産総研など現地確認

 永平寺町の旧京福電鉄永平寺線廃線跡の町遊歩道「永平寺参(まい)ロード」を活用した自動走行車(小型電動カート)の実証試験が今年度から行われることになり、国の委託を受けた産業技術総合研究所(産総研)やヤマハ発動機などの実施団体の担当者らが15日、実証試験に向けて参ロードの道路改良のための現地確認を行った。

 参ロードはえちぜん鉄道永平寺駅口から門前までの約6キロ。産総研が28年度に実施地域を公募し、選定した全国の4カ所のなかに入った。実証試験では遠隔監視でシステム制御された小型電動カートを走らせて評価する。今年度は同町が参ロードの道路舗装など基盤整備を事業費1億2千万円(国50%、県と町各25%負担)で行い、産総研、ヤマハ発動機などの企業チームがシステムや自動走行車を開発する。30年度に実証試験を行う計画で、31年度以降の実用化を目指す。

 この日の現地確認では、同町京善でヤマハ発動機の雄谷誠祐ゴルフカー事業推進部長らが、視察に訪れた西川一誠知事や河合永充永平寺町長に説明。自動走行車と同様の大きさの電動小型カート(幅134センチ、全長310センチ)に乗り込み参ロードを試走した。

 参ロードは旧駅部分は幅3メートルほどあるが、狭い部分は1メートルほどしかない。すれ違いポイントや橋梁補強など整備の必要な箇所を確認しながら走行した。

 参ロードの整備を行う同町の河合町長は「いよいよ事業がはじまったという感じだ。地域住民の足の確保や、大本山永平寺までの観光客の交通手段などに結びつけたい」と意欲を見せた。今秋までに参ロードの一部を整備し、積雪時の現地を確認する。今年度内には整備を終える方針だ。

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