オルタナティブ・ブログ > ITは心の仕事です >

テクノロジーに心も仕事も奪われそうな日々を綴ります。

ソーシャル界隈のパラドックス〜あるいはFacebookが流行らないたった一つの要因

»

みなさんこんにちは。「ソーシャル妻子持ち」こと松井です。

Facebook、盛り上がってますか?僕にはとても日本で普及しているようには思えないです。

メディアでの取り上げられ方や様々な方々との会話を通じて話題にあがるのはTwitterばかり。Facebookの話で盛り上がったことがないのが実感です。

そんな中でもあるところではFacebookが非常に熱を持った言葉で語られているのです。それは「ソーシャル」を肩書きに持つ方々のコミュニティです。

そんな方々から出てくる言葉といえば「ソーシャル ネットワークをビジネスに生かそう」というものですが、正直僕には全く意味がわかりません。意味が分からないというより、違和感を感じるといった方が正しいかもしれません。

今回のエントリーではそういった違和感の原因は何なのか、そして、今後のソーシャル ネットワークのあり方とはどうなのか、というところを追求していきましょう。

とまあ、ここまで書いた時点で若干飽きてるんですが。。。

ソーシャルの意味をもう一回考える

そもそもの違和感の発端について考えると、このソーシャルという言葉の解釈にたどり着きます。

今、ネット界隈ではソーシャルという言葉が特別な意味を持ち、ビジネスに魔法のような効果をもたらすというような文脈で語られていることもしばしばあります。しかし、そもそもソーシャル ネットワークというのは社会的ネットワークをインターネットに持ち込んだということであって、その構造には何一つ特別なことはありません。

もちろん、インターネットを使うことでそのつながりはこれまでよりも幾何級数的に広範囲にわたるようになりました。しかしそれはインターネットのもつ力であって、ソーシャル ネットワークが特別なのではないと思います。

それをどう勘違いしたのか、ソーシャル メディアはマーケティング ツールだとかいって喧伝するような人々まで現れる始末。僕が一番嫌いなのが実はこのソーシャル メディアを使ったマーケティングというやつだったりします。

マーケティングというのは人が大勢集まるところで成り立つのであってソーシャル ネットワークだからといって特別すばらしい効果を発揮するということはないはずです。それどころかソーシャル メディアの強力なマッチング力により、マーケティングの必要性はますます希薄になってきているように感じます。

マス広告が衰退して、逃げ場を求めてソーシャル ネットワークに群がる気持ちはわかるんですが、それを新しいマーケティングとかいうのは結構ギリギリじゃないかと感じます。

まとめると、ソーシャル ネットワークとは社会構造そのものであって、それを特別なものであるかのように言いふらして人々を焚き付けるってのはかなりアレなんじゃないかと。

Facebookはなぜ広まらないか

Facebookって世界での利用者数を考えれば、少なくともTwitterよりは盛り上がってもいいような気もしますがそうなっていないのには何か理由があるんではないでしょうか。

よくいわれているのはあのインターフェースが日本人向きじゃないんじゃないかというものですが、インターフェースの使い勝手ってそもそも国籍に影響されますか?iPhoneは万国共通で高評価なんですが。もしくは実名登録が障壁になっているということでしょうか。

そうはいってもアメリカでも匿名登録の掲示板が盛り上がっていて、その辺りも国民性とかそれほど関係なさそうな気がします。

では、Facebookが普及しない本当の理由とは何かといったら「ビジネス臭が強い」ということにつきるんではないでしょうか。

Twitterはかなりはやってからビジネス利用をどうするかという議論が出てきたように思うのですが、それで味を占めた人々が早い段階からFacebookに目を付け、次のビジネスツールはFacebookだ、なんていって騒いでいたように思います。

そんな金儲けでギラギラした人の集まりである場所に普通の人が飛び込んでいくのをたためらったとしても不思議ではないでしょう。

Facebookに人を集めてお金儲けをしたい、そんな雰囲気を作ったために新規参入が途絶えて結局利益がでない。こんな負のサイクルに陥っているのが今のFacebook周りの現状ではないでしょうか。こういうのを四字熟語では自業自得といいます。

そうやってFacebookで失敗した人たちがFacebookは日本人向きじゃないという言い訳をしたくなる気持ちはわかりますが、そんな日本人向きじゃないものを一生懸命広めてお金儲けしようとしてたんだから、そのビジネスセンスのなさが証明されてしまいます。言い訳がましい避難というのは何も生み出さない上、自分の首を絞めるんですね。

まとめると、日本でFacebookが流行らないのは電通が早く目をつけすぎたためといったところでしょうか。

おわりに

なんだか、ネットの一部、マーケティング系のコンサルタントとかそれに類似する立場の方々とか、テレビ、雑誌関連の人々の間ではFacebookが盛り上がっているような印象ですが、一般の人たちとの温度差が大きいような気がします。

もちろんこの先どうなるかなんていう予測はできないので、もしかしたら来年あたりFacebookが天下を取っている可能性もありますが、どうなのでしょうね。今現在のところはアメブロとかmixiの方がよっぽど活発な気もしますが。

あとは最近できたGoogle+ですか。あれはよくできていますね。Googleアカウント一つでSNSからチャット、メールまでできるし、ほかにもGoogleの大量にあるサービスを利用できますからね。Androidの普及とともにGoogleが占有するネットワーク トラフィックもまだまだ増え続けるでしょう。

もうインターネットでのコミュニケーションはもうGoogleとTwitterがあればだいたいまかなえてしまう気がします。Instagramなんかのように何かに特化したコミュニケーションを提供できればまた変わってくるのでしょうけど。そういう訳で今後も新しいサービスに期待しつつ、踊らされないよう足下を固めて行こうと、決意を新たにした夜でした。

Comment(0)