セキュリティソフトの大手ベンダー、トレンドマイクロは2010年12月21日、2010年のウイルスなどの不正プログラムによる被害をまとめた報告書「インターネット脅威年間レポート」を公開した。12月15日までの統計データによる速報版で、同31日までのデータを使った正式版は2011年1月5~7日に公開する見込み。

 インターネット脅威年間レポートでは、2010年のウイルス感染被害が1万6536件と2009年の4万4587件と比べて4割以下に減少したとなっている。報告件数の上位二つは、2009年と同じ顔ぶれ。2009年に1位だった「MAL_OTORUN」(通称:オートラン、他にUSBメモリーウイルスと呼ばれることもある)は414件と2009年(3578件)の約9分の1以下に減った。2位だった「WORM_DOWNAD」(ダウンアド、他社はダウンアドアップ、コンフィッカーなどと呼ぶ)も479件と3分の1以下になっている(2009年は1516件)。

 一方、攻撃者が正規のサイトを改ざんして不正なJavaスクリプトを埋め込み攻撃用サーバーに誘導する、いわゆる「Gumblar(ガンブラー)攻撃」に使われるウイルスが上位に食い込んでいる。6位の「JS_ONLOAD」(オンロード)」、7位の「MAL_HIFRM」(ハイフレーム)、9位の「JS_IFRAME」(アイフレーム)」、10位の「JS_GUMBLAR」がそれに当たる。

 なお同社は、2011年にはスマートフォンやタブレット端末が狙った攻撃が増える恐れがあり、利用者には注意が必要としている。

2010年 ウイルスの感染被害報告数ランキング
1位WORM_DOWNAD479件
2位MAL_OTORUN414件
3位TROJ_FAKEAV178件
4位TROJ_DLOAD145件
5位BKDR_AGENT138件
6位JS_ONLOAD133件
7位MAL_HIFRM126件
8位WORM_AUTORUN115件
9位JS_IFRAME105件
10位JS_GUMBLAR99件