「創発」という概念を中心に読み解いたミード論で、これまで読んだ二次文献のなかではいちばん腑に落ちるものだった。役に立ちそう。それに、アダム・スミスとつきあわせをした議論にはじめてお目にかかったし、マルクスとのつきあわせも面白い。ただし、あらかじめミードを座標軸にして切っていくやり方は、あまりフェアなものには思えないし、発生論的な視点を評価するというのなら、もっと別につきあわせてよい議論もあったのではないかと言わざるをえない。「創発」という概念はたしかにユニークなのだが、これで事象を説明しきれていることになるのかは、もうちょいと立ち入って考察を加えてみたい気がする。
- 作者: 小川英司
- 出版社/メーカー: いなほ書房
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これは重要な二次文献らしい。
George Herbert Mead: Self, Language, and the World
- 作者: David L. Miller
- 出版社/メーカー: Univ of Chicago Pr
- 発売日: 1980/09/01
- メディア: ペーパーバック
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