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Perfume あ〜ちゃんの壮絶な苦悩と絶望の吐露、そして彼女は壊れてゆく@Rockin'on JAPAN 09年7月号

http://www.ro69.jp/publish/japan/index.html


当エントリは全て私の過剰な思い込みによる曲解です。
(「曲解」と書きましたが、語弊が生じていますので「極私的な解釈」と読み替えてください。)


また、J-CASTのニュース記事、およびJ-CASTをソースにした各種ニュースサイトの配信は、「原典(Rockin'on JAPAN掲載のインタビュー)に基づかないものであること」、一ファンの曲解を取り上げたに過ぎないということ、西脇さんの意図する発言ではないことを十分認識願います。


既にニュースソースの元になり魚拓も取られています。いまさらこの記事を削除しても遅いでしょう。むしろ客観的なコメントもいただいておりますし、ニュース記事が、一ファンの曲解をソースにしたものであり、西脇さんの意図する発言でないことを確認してもらうためにも、今はあえて削除しません。企業のニュースサイトでもなく、一個人のファンがインタビューを読んで感想を書いただけの記事です。陰謀説や分断工作などとは関係ありません。一ファンの過剰な思い入れに過ぎません。それが、ここまでネガキャンとして受け取られる事を考慮していなかった点については私の愚かな所です。抗議のコメントも沢山いただいておりますが、数が多く処理しきれていません。申し訳ありません。


私自身混乱していてどうすればいいか分かりません。とにかく、ニュースサイト、2chを経由してここに来た方は、ニュースが原典を参照していない事、このエントリがファンの曲解に過ぎないことを認識願います。






※追記します。


私のエントリを削除・訂正するようメールが多数届いておりますが、それについては今は対応しようとは思いません。一個人のファンがインタビューの感想一つブログに書けないような、そんな言論封鎖の状況をPerfumeファンには作ってほしくないからです。個人ブログでファンやPerfume自身が不快に思う記事を書いて、それについて自分が批判を受けるのは一向に構いません。ファンだから見える事もあり、ファンだからこそ批評することもあります。次のアルバムについても、西脇さんが言うように「賛否両論」あってしかるべしでしょう。もちろんファンであるがゆえに見えなくなるものもあります。そこには容赦ないコメントがあっても何もおかしくはありません。ファンが様々な意見や情報を自由に出し合い、それらの声がPerfumeにフィードバックされれば、それが理想だと思います。
ブックマーク数が増えてもあえて記事を修正しなかったのは上記の理由です。ここで記事を削除してしまえば、ファンやPerfumeにとって不快な意見は全て抹殺されることが正当化されてしまうからです。


私の記事が「捏造」との指摘もありますが、これはあくまで「曲解」です。彼女達の発言していないことは何一つ引用していません。インタビューを読んだ人それぞれに解釈があり、読解力が不足していれば不足しているなりの解釈があるでしょう。過剰に西脇さんのメンタルを心配して気持ち悪い感想を抱く自分のような人間もいれば、「いつもの西脇さんだ」と笑える人もいるでしょう。




ただ、こういった個人ファンの個々の意見を、センセーショナルなニュースとして取り上げるメディアに対しては、本当に悔しくて悔しくて仕方がありません。本当に、どうしていいかわかりません。




※追記
今回の騒動の火元となってしまったことについて、Amuseに謝罪文を送りました。




追記ここまで

                                                                                                                                          • -

以下原文




※この記事は私がインタビューを読んだ感想をベースに原典を意図的に引用したものです。ぜひご自身で原典をご確認下さい。




今だかつて見たことの無い、信じられないほどに重苦しいインタビュー。あ〜ちゃんが精神的に追い詰められているのがはっきりと分かる。彼女を追い詰めるものを、インタビューから紐解いていく。




インタビュー前半部分では、あ〜ちゃんの苦悩がひたすら語られる。「ライブで直接自己表現し、ファンのレスポンスを得る事でしか自身の存在理由を確かめる事ができない。」代々木でそう発言したあ〜ちゃん。このインタビューで、その本意を語っている。

あ:シングルのリリースって、すごい辛いときがあって。これって何でリリースしてんだっけ?みたいな。ライブが無いと忘れちゃうんですよ。シングルは誰が聴いてくれてるんだ?とか。Perfumeがあり続けるために出してるみたいな

あ:言う必要なかったと思うんですけど、嘘つきたくないからそう言ったんですけど。だからいろんな気持ちになって泣きそうになって。
あ:私はライブが軸だと思っているから。
あ:ライブが多分一番、その人本来っていうものだと思うんです。それをすごい伝えたくて。そしたらああいう形になっちゃったという。
あ:全くその話をするつもり無かったんですよ(笑)。でも、お客さんが泣いてたから、言いたくなって言ったんだよね。

CDやテレビでは自分の気持ちを表現できない、自分の本来の姿を表現できるのはライブだけ、それをどうしても観客に伝えたくて、言う必要もないのに本音を吐露してしまった。代々木2日目のあのMCは、BOOKではない。




そして、その「ライブでしか自己表現できない」という彼女の思い込みをさらに激しくさせるのが、ブレイク前、アイドルとして頑張っていればよかった時代には彼女の身の回りにいなかった、ミュージシャン達、表現者の存在だ。のっちが以前あ〜ちゃんに対して看破した、「事務所の方針に、ちゃんとあったことを、作曲も作詞もしないで、出されたものをぱっとやるのがアイドル*1というあまりにも残酷な言葉通り、彼女達は自らの「歌」を封印し、ひたすら中田ヤスタカとスタッフ陣の出力機関に徹してきたはずだった。しかし、あ〜ちゃんはそれに違和感を感じ、ヤスタカに反発してまで自己表現の場を求めた。*2 「作詞も作曲もしないから存在理由の認識はライブだけ?」と聞かれ、

あ:多分、周りの人に今ミュージシャンの人が多くて、曲や詞で表現したり、ライブが物凄い量あったりっていう人がいっぱい周りにいるからそれを聴いたり見たりしてると余計に思っちゃうんだと思うんですよね。

あ〜ちゃんはそう答えた。最近思わぬ場所から明らかになった、彼女達のプライベートの交友関係から見ても分かるように、ロキノン人脈という表現者集団に囲まれているのに、「自分は表現者でない(作詞も作曲もしない)、表現する場も無い(ライブは殆ど無い、自己表現した歌は使ってもらえない)」という、悲痛なまでの苦悶があ〜ちゃんを支配している。




さらに追い討ちをかけるのが、巨大になりすぎて、もはや3人の手を離れてしまった「Perfume」を維持し続けることに対する苦痛だ。「Perfumeはこうあるべき」という理想に対し、それを維持し続けるストレスが自らの首を締め上げていることを正直に吐露している。

あ:Perfumeに対しては、みんなモチベーション、めちゃ高いと思うんですよ。でも、そのこうじゃないといけんみたいなのが強くなりすぎるときがあって、もう苦しくなって逃げたくなったりするときはありますね。

そして、大学と仕事のスケジュールに追い詰められ、体が動かないのに病院にも行く事すらできないという多忙さが、あ〜ちゃんを壊してゆく。

あ:だって人間なんだもん。遊びたいし、自分のやりたいことしたいっていうことです。これが全て、Perfumeが大きくなったり、いろんな人に見てもらえたりする機会だって分かってる、だから「やります、やらせていただきます」なんだけど、それが毎日毎日になると・・・。

さらに、この言葉を受けて「辛いときに辛いと考えないようにしている」と言ったのっちに対し、あ〜ちゃんはキレる。

あ:でも、逃げ過ぎとる時はすっごいあると思う。そういうの考えないようにしとるっていうのを出しすぎとる時。こっちがいらいらする

周りを常に気遣うあ〜ちゃんだからこそ、他人の苦悩までを敏感に感じ取ってしまい、さらに彼女自身を深く傷つけてしまう。






インタビュー後半は、アルバムの内容についてだが、ここでインタビュアーが再びあ〜ちゃんに一刺しを入れる。

−かなり尖った、歌もの要素が少ないダンス・アルバムになってますよね。3人の声もかなりエフェクトがかかって判別できないぐらいのところもありますが、それについてはどう思いますか?


あ:ああ、でもだれでもいいんですよ
か:それすごいわかる!
あ:声誰がとかある?
か:あんま気にしなくなった
の:Perfumeであればって感じだよね。
あ:そうそうそう。3人の声が混ざったらもうなんでもいいし、アルバムだから、シングルみたいに一人がここを歌ってサビでみんなみたいなのが考えられてないから、多分、中田さんが一番いいって思うように振り分けられてるんだと思うんですよね。それに自分達の声が乗っからせていただいてるんなら、って思いましたね。ああ、今回こんないい曲くれた、嬉しいっていう
か:作品としていい作品になってれば、歌いわけがどうのこうのとかないです。聴く人にちゃんと伝わればいいし、曲のよさが伝わればそれでいい
あ:あの中田様が私たちにまた曲を下さるのですね、見捨てないでいただいてどうもありがとうございます。またがんばりますって、普通にそういう気持ちです。こんないい曲をPerfumeに書いてくれた!っていう。CapsuleではなくPerfumeに下さった!っていう

ここでのあ〜ちゃんの発言は明らかに異様だ。慇懃無礼にも感じられる。文字起こしである以上ニュアンスは正確には伝わらないのだが、中田ヤスタカに対して「諦めにも似た達観」が見え隠れしている。もう「歌」については自分にはどうする事もできない。書いてもらった曲に声を乗せるだけ。それがまるでCapsuleの様に歌の無い曲であっても、ありがとうございますと言って受け入れるだけ。
それに対してかしゆかが丹念に言葉を選びフォローを入れ、そしてのっちは何も言えずにいる。重苦しいインタビュー現場の空気まで見えてくるようだ。「声にエフェクトをかけられてしまったり、歌を減らされたりするのは本当は嫌だ、でも天下の中田様がそれがいいって言うんだからそれでいいんじゃないですか、もうどうでもいいですよ、自分は好きにやりましたから」、そうあ〜ちゃんは言っている。「歌」にアイデンティティを置くあ〜ちゃんの偽らざる本心だろう。*3


一方のかしゆか

か:歌ものを作らなきゃいけないっていう観念が消えたんだなって思って、それがすごく嬉しかったです。
か:Perfumeを最初受け持ったときに、アイドルをやらなきゃいけないって観念があって、歌ものを作ってとか、昔のピコピコの音を意識して作ってたらしいんですけど、その観念が消えてきて、Perfumeでも遊んでもらえるようになったのがすごい嬉しいです

かしゆかは「Capsuleでやっているような『越島稔子より表現を優先』のスタンスをPerfumeでもやってくれるようになって嬉しい」と言っている。あ〜ちゃんをフォローする発言だが、彼女の普段の音楽趣味と、歌への拘りの無さ、歌唱力に対する自信の無さを考慮すると、これもかしゆかの本心であろう。


しかし、ここにあ〜ちゃんが食って掛かる。

あ:でも"Speed of Sound"見たいなやつばっかりになってくのもどうかと思いますね。
あ:Perfumeが歌う意味あるのかなって。Capsuleさんはそれでいいじゃないですか。ライブが軸でも無いし。
あ:そればっかりになっていくのは怖いけど。ほんとに素材としてしか考えられていないっていうのは

「歌」を失う事への反発は、もう悲鳴にしか聞こえない。


あ〜ちゃんの唯一の希望は、3人の声が重なったときのハーモニーだという。

あ:3人の声を合わせたときに、もう魔法だ!って思うくらい、めっちゃかわいらしい感じの声になるっていうか。透き通ってるし、言葉の癖もあるし、ちょっとエアリーな感じだし。
あ:レコーディングした時って、歌い分けになってないから、必ず3人がずーっと主旋を歌ってる曲になるんですよ。それとか聴いてると幸せになります。私ここにいていいんだなって思えるし、すごいめっちゃいいみたいな

しかし、それとて中田ヤスタカが手を加え、歌い分けを設定し、AutoTuneとHarmonyEngineで別物に加工されてしまう。あ〜ちゃんの希望は、形として残らない。




さらに、あ〜ちゃんの絶望は、古参ファンにまで牙を向く。

−昔のアイドルっぽいかわいらしい曲を求めるファンがいるとしたら、それについてはどうですか。


か:今のPerfumeを受け取ってください。
あ:好き嫌いがあるのはもちろんあると思いますし、だから離れてってる人もいっぱいいると思います。でも、増えていってくれてる人もたくさんいるし、それがいいっていってくれる人もいっぱいいるから、全然何も思わないですね

代々木で泣きながら「Perfumeを見捨てないでください」と言っていたあ〜ちゃんが、「離れていく人がいても全然何も思わない」とまで態度を急変させた。
一体何が彼女をそこまで硬直させてしまったのか。やっかいなアイドルオタもコアなテクノ好きもライトなJ-POPファンも皆一緒くたにしてその魅力に引き込んできたのがPerfumeではなかったのか。「ライトなファン層が広がってるんだから、もうそれでいいじゃない」。そういうニュアンスの言葉が、あれほどファンを大事にしてきたあ〜ちゃんの口から発せられるとは、想像もできなかった。




膨れ上がる人気と反比例するように失われていく、彼女の存在理由と自己表現の場を求めて、ヤスタカとスタッフの仕掛けた檻の中で彷徨うあ〜ちゃん。その虚ろな目には、諦めだけが映っている。


一体誰があ〜ちゃんを、いや、西脇綾香を救えるのだろうか。彼女の言う通り、ライブで彼女の自己表現をファンが受け止めてあげれば、それで彼女は救われるのだろうか。ヤスタカが彼女のありのままの歌を意識して曲を作れば、彼女は救われるのだろうか。




ああ、神よ、あ〜ちゃんを、西脇綾香を救いたまえ。