プロ史上初の3度目年男だ!

 巳(み)年生まれの中日山本昌投手(47)が、プロ入り後3度目となる年男となった。30年目のシーズンに臨む球界最年長は今季の目標を「優勝」と力強く書き込んだ。「優勝で有終の美を飾りたい。ダメなら当たり前だけど引退」。背水の陣で臨むシーズンへの意気込みを語った。

 山本昌にとって、区切りの30年目がスタートした。18歳でプロ野球の門をたたいてから24歳、36歳と年輪を重ねてきた。48歳となる今年は、プロ入り後3度目となる年男イヤー。自らを「球界のシーラカンス」と呼ぶ球界最年長は、13年の目標を「優勝」と言い切った。昨季は3連覇を逃し、2位でフィニッシュ。何よりも手にしたいのがペナントだ。

 山本昌

 今年はとにかく優勝。個人成績はもういいよ。優勝して有終の美を飾りたい。

 実は年男のシーズンは苦い思い出が多い。24歳だった89年は9勝を挙げたが、2桁勝利に届かず、当時の星野監督(現楽天監督)からシーズン途中に2度目となるアメリカ留学を言い渡された。チームも3位だった。36歳の01年は、プロ人生ワーストの13敗(10勝)。中日も4年ぶりBクラスとなる5位と屈辱を味わった。

 笑顔の多い年男イヤーにするためにも、まずは開幕ローテーション入りを目指す。4日には出身校の日大藤沢で始動。その後は恒例の鳥取ワールドウィングで鍛える。2月のキャンプインまでに戦える体をつくり上げ、初日から猛アピールをする。

 山本昌

 この年でやってる方が普通じゃない。当たり前だけど、ダメなら引退だよ。

 正月のおめでたムードはまったくない。結果が出なければ引退。球界の宝となった年男が、勝負のシーズンに臨む。【桝井聡】

 ◆中日山本昌の年男メモ

 日大藤沢から83年ドラフトでプロ入りした山本昌にとって、今年が3度目の年男になる。愛工大名電から18歳でプロ入りした工藤公康氏(49=日刊スポーツ評論家)は、48歳になった11年シーズンは獲得に名乗りを上げる球団が現れず、シーズン終盤に現役引退を表明した。