冬コミが近づいてきました!
しかし、年末のメチャクチャ寒い時期に行われる冬コミって、どんな服装で行くべきなのか!?
これが意外と難しい。
夏コミの場合、とにかく暑さ対策、熱中症対策(あとニオイ対策)などを徹底すればオッケーですが、冬コミの場合はもう少し気を使うポイントがあります。
海風が吹き付ける広場に早朝から何時間も並ぶということで、基本的には寒さ対策ということになりますが、人でごった返した会場内に入ると、こんどは暑くて汗でビチョビチョになることも……。
冬コミ、過酷です!
防寒だけではなく、温度調節がしやすいというポイントも押さえたいところ。
よくいわれているのは、「冬コミは冬山登山に行くくらいの格好で行け!」ということ。
確かに、冬山の寒さに耐えつつも、激しい運動による汗も防いでくれる登山ウェアは冬コミにも適していそうです!
……とはいえ、ザ・インドア派であろうコミケ参加者のみなさんは冬山登山なんてやったことないと思うので(ボクも!)、その道のプロの方に冬コミに適した登山ウェアを教えてもらってきました。
モンベル・品川店
アウトドア用品でおなじみ、モンベルの安田さんに教えてもらいました
――……というわけで、冬コミに行くのにオススメの登山ウェアを教えてもらいたいんですけど。
いーっぱいありすぎてどうしたらいいのかわからないので、とりあえず教えて!
安田 温度調整をしやすい服ということなんで、機能や役割ごとにレイヤーを分けて重ね着するのがオススメです。
普段、この程度の重ね着しかしてないんですけど……
安田 それだと極端な温度調整しかできませんからね……(笑)。もっと細かく重ね着をしておくと、状況に応じた温度調整をしやすいですよ。
――ほー? とりあえず基本から教えてください!
安田 まずは「ベースレイヤー」や「アンダーウェア」と呼ばれる、一番下に着るものから。
――「ももひき」とか「ラクダシャツ」みたいなもんですね。
いわゆる「肌着」ってヤツでしょ?
安田 まあ……(笑)。選び方のポイントとしては、素材が「化学繊維」か「ウール」かというのがあります。ウールのほうが暖かいんですが、化学繊維のほうが水分をより素早く吸収して、すぐに乾いてくれるんですよ。
化学繊維のシリーズが「ジオライン」になります
――冬コミ用としては化学繊維のほうがいいかもしれませんね! でも、化学繊維だと寒かったりするんですか?
安田 「薄手」「中厚手」「厚手」と厚さにも種類があるので、ご自分がどのくらい寒がりかというので選んでもらえればいいと思います。
左から「薄手」「中厚手」「厚手」のパッケージ。どんな環境で使えばいいかわかりやすい!?
――厚手だと雪山登山にも使えるくらいなんですか?
安田 そうですね。冬コミに関しては、後々動き回ることを考えると中厚手くらいがオススメでしょうか。
「中厚手」といいつつ、普通のTシャツなどと比べるとかなり薄い素材ですが、保温性能は高いそうです
パンツや腹巻きもあるんだ!
安田 パンツや腹巻きも同じ素材で作られているので、保温しつつも吸湿してくれるんです。それと防臭効果もあるんですよ。登山だと、何日もシャワーを浴びられないこともあるので(笑)。
――防臭! 冬コミだけじゃなく、夏コミにも着ていったほうがいいかも……。
安田 汗を吸収してすぐ乾いてくれるということで、薄手のものを夏の登山で着ることもありますので、夏コミでもいいかもしれませんよ。
安田 続いてこの上に着る「ミドルレイヤー」です。ロンTみたいなものでもいいですし、寒さに弱い人はフリースなんかもいいんじゃないでしょうか。
「ミドルレイヤー」に着るロンTやフリースたち
このTシャツも、普通のものとは素材が違いますね
安田 汗をかいてもすぐに乾くような素材になっています。さらにジッパー付きのタイプだと、熱がこもったときにジッパーを開くと熱を逃がすこともできますし。
ああ、こういう服の途中までしかない中途半端な長さのジッパーってそういう使い方をするものなんだ
安田 さらに、かなり寒い環境で長時間並ぶということでオススメしたいのはダウンジャケットですね。ダウンを上着の下に着ておくと、かなり暖かいですよ。
ダウンが暖かいとはよく聞きますが……
――もっとモコモコしたイメージがありましたけど、こんなに薄いんですねぇ。
安田 ダウンは、羽毛の質がいいものほど、量が少なくても暖かくできるんですよ。重量も、ものすごく軽いですよ。
確かに軽いッ! 大げさじゃなく、スーパーの袋を持ってるくらいの軽さだ!
安田 このダウンジャケットは重さ130gとメチャクチャ軽いですし、すごくコンパクトに収納できるんですよ。
付属の袋に収納すると、手のひらサイズに。確かにコンパクト!
安田 最後に、一番上に着る「アウターレイヤー」です。
――アウターってもっと分厚い服を想像していましたけど、メチャクチャ薄いですね。こんなんで暖かくなるんですか?
えらくペラペラした素材に感じるけどなぁー?
安田 アウターの役割は暖かくするというよりは、雨や風、雪などを防ぐという考え方ですね。「ベースレイヤー」「ミドルレイヤー」で十分着込んでいれば、このくらいでもかなり暖かいですよ。
このアウターも、袋に収納するとすんごくコンパクトに!
――下半身に関しては「ベースレイヤー」のものしかオススメしてもらってませんけど、普通のズボンでいいんですか?
安田 雪山を登るわけではないので「ベースレイヤー」を着ていれば、あとはジーンズなどで問題ないと思います。それでも、下半身の冷えが心配な方には、ダウンのズボンというのもあるんですよ。登山の休憩中などに、ズボンの上から履いて体が冷えないようにするものなんです。
ダウンのズボンなんてあるんだ! もちろんコレもコンパクトに収納できます
……というわけで実際に着させてもらいました。
上「バーサライトジャケット Men's・ネイビー」下「スペリオダウンパンツ Men's・ブラック」
あまりモコモコと重ね着しているようには見えませんが、中にはダウンジャケットも着ていますよ!
「プラズマ1000 ダウンジャケット Men's・ガーネット」
女性向けにはこんなかわいいデザインのものも
上「レインダンサー プリントジャケット Women's・ローズ」下「スペリオダウンパンツ Women's・ブラック」
「プラズマ1000 ダウンジャケット Women's・サーフグリーン」
――全体的に薄手で動きやすそうなのに、メチャクチャ暖かいですね! 登山ウェアの実力を思い知らされましたよ。
安田 これだけ着込めば待機列でも暖かく過ごせるんじゃないでしょうか。会場に入ったらダウンだけ脱いで収納してもいいですし、暑さによってはダウンとアウター両方脱いじゃってもいいと思います。ダウンジャケットとズボン、アウターを合わせても500g以下ですからね(Men'sのMサイズでそろえた場合)。
500mlペットボトルよりも軽いのか!
今まで、暑くなったらモコモコした上着を小脇に抱えながら会場を歩き回っていましたが、500g以下の重さで小さく収納できる登山ウェアだったら、じゃまにならず、快適にコミケを堪能できそうです。
こんな感じでコーディネートして、冬コミに備えてください!
これで冬コミもバッチリだー!
もちろん、サンダルで行くのはやめましょうね……
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モンベル品川店
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