今年の春にfacebookについておもったこと

いきなりfacebookがにぎやかになった


この1、2週間の間にfacebookが盛り上がっているようで、自分のニュースフィード*1にも、頻繁にアップデート情報や誰かと誰かが友達になったという情報が通知されるようになった。僕自身も登録している友達が増え*2、何か書くと数分以内にコメントが付いたり、いいね!と評価されたり急に活気づいた感がある。

自分の近辺を観察してみると、twitterのようにつぶやいたり、写真をアップしたり誰かの発言に反応したりといった、twitterのようなサイト内だけでのやりとりと、ブログやニュースサイトに設置されたLike(いいね)ボタンを使った外部サイトの紹介などサイト外からの情報も交えたやりとりの2種類のコミュニケーションが活発で、後者はGREEmixiなど国内のSNSも、同じような機能をリリースして国内の大手ポータルサイトやニュースサイト・webサービス等に機能を提供するなど、外部メディアとの連携を強化してバイラル・マーケティングツールとしての側面を強くアピールしている。


何回いいね!とクリックさせたいの…的な状況

「閉じられたサイト内で全てが完結する」という概念はSNSだけでなく、この数年で古いものになった。
自前のサービスや商品を広めることに自前でリソースは割かずにtwitterfacebookを活用する事も珍しくなくなった今、今後は「外」の出来事を、いかに「内」で伝搬させていくかを訴求した機能が各社で提供され、それを活用した事例が今後ますます増えていくと思う。

今年の春に海外におけるfacebookの伝播力を体感した出来事があったので、参考情報として紹介してみたい。

個人的にSNSの伝播力を体感する出来事が3月にあった

世界的にも知られたビートメイカー"nujabes"が不慮の事故により、2月にこの世を去り、その約一ヶ月後にレーベルを通じて公表された。
そのニュースはYahoo!ニュースのトップ記事になった他、様々なブログやコミュニティでも追悼のメッセージが寄せられた事を覚えている人もいると思う。

訃報が公表される数日前、僕はnujabesの盟友であるミュージシャンのshing02のサイト内に、彼を追悼する特設ページを公開するお手伝いをしていた。
できるだけ沢山の人に知ってもらい、追悼のコメントを書き込んで欲しいという要望に沿うために、どんなページにもコメント機能を実装する事ができ、かつ投稿した内容がfacebooktwitterにもコメントが反映されるDISQUSというサービスを利用した*3


shing02のオフィシャルサイト上に用意されたページには、いまでも世界中からコメントが寄せられている
ページ公開後、すぐに世界中のファンからのコメントが書き込まれ、2カ月後には表示できるコメント数のリミットである5000件をオーバーするなど、その反響に驚いた。公開翌日にこんな事をツイートしたところ、色んな人に非公式RTされたのを覚えている。

後日、あらためてページに設定していたGoogle Analyticsでアクセス状況を調べてみると、1週間で約11万PVのアクセスがあったうち、ノーリファラ*4が約20%、検索エンジンは約3%と非常に少なく、それ以外の77%が外部のサイト経由でのアクセスだった。そのうち最も多かったのがfacebookからで、ノーリファラとほぼ同数、全体の約20%を超えていた。その次に多かったのはYahoo!ニュースで約9%、その次にwikipediatwitterがそれぞれ8%という結果だった。ちなみに約70%が日本国外からのアクセスで、アジア・欧米以外にも中南米からもコメントが投稿されたり、アフリカからのアクセスもあったのには驚いた。

facebook内のリファラを元にサイト内を見てみると、海外のユーザーを中心にニュースフィードだけでなく、ファンページ*5や、やノート*6など、いくつかの形で情報が共有され、それらがニュースフィードを経由して伝播していった様子がわかった。facebookの強みとしてよく言われている「素早さ」と「共有」の力を垣間見た気がした。

ものすごく古い話だけど、97年に僕が大好きだったシンガーJeff Buckleyが亡くなったのを知ったのは、亡くなってから一ヶ月以上経って書店に並んだ雑誌の記事だった。もう、あの頃のコミュニケーションのスピードは、日本ではありえない事になっている。

話が脱線した。上記はあくまでも一例に過ぎないし、別の調査結果ではTwitterの方がクリック率が高いという結果も出ているが、個人的には情報を伝播させていくための強力なインフラとしての可能性をfacebookに感じたし、今もそう思っている。

日本国内で浸透していくにあたって、匿名がベースという日本独自の文化や、ネットの中と外を「オン」「オフ」と区切る言葉で表現するような現実社会との繋がりを拒否する感覚などクリアすべきハードルはfacebookにあるものの、国内のSNS各社にもそれぞれの課題はある。
facebookがうまく”ローカライズ”して、日本人にとっても、より魅力的なサービスとして受け入れられれば、mixiGREE、モバゲーと並んで支持されるサービスになれると思う。

*1:twitterでいうところのTimeLineにあたるもの

*2:ほとんどTwitterでフォローしている人だが

*3:いいねボタンは内容的に相応しくない表現だったので、使わなかった。

*4:何らかの理由でリファラが記録できなかったアクセス。メーラー等のアプリケーションからのアクセスも該当する

*5:mixiでいうところのコミュニティ的な機能

*6:facebook内のブログ的機能