@IT自分戦略研究所 編集部が独断と愛によって選んだ「テーマ別コラム」をピックアップして紹介します。

チームで働くなら、エースプログラマが集まるだけじゃNG

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 本音が語れるエンジニア参加型メディア「@IT自分戦略研究所 エンジニアライフ」。日々、ITエンジニアの「生の声」を公開している。

 ここでは、編集部の独断と偏愛によって選んだコラムをテーマ別に紹介していく。今回のテーマは「チームで働く」。

 エンジニアは多くの場合、チームで働くことになる。チームの在り方や、チームリーダーに求められることなど、「チーム」にまつわるコラムを紹介しよう。

チームプレイの本質

 「エースプログラマ」が集まっても、プロジェクトが失敗する確率は、普通に人数を集めたプロジェクトとそれほど変わらないのでは――『地方からの戯言』のAhf氏はそう主張する。

 開発プロジェクトは個々の能力も去ることながら、チーム全体で目標に向かい一丸となって作業を行えるか、という点が特に重要である。当然、リーダーの良し悪しはプロジェクトの成否に大きな影響を与える。

 ただし、チームで働くとき、リーダーだけが気をつければいい、というわけではない。「チームとして結果を出すためには、どうしたらいいか」という問いは、メンバー全員が意識すべきではないか、とAhf氏は語る。

 『Are You Sure?』の佐藤正明氏も、個人の働き方とチームでの働き方の違いについて言及している。佐藤氏は、「サッカーにおけるチームプレイ」の考え方が、仕事にも適用できるのではないかと語る。

 サッカーにはフォワードやミッドフィルダーなどの「ポジション」が存在する。なぜポジションがあるのか。佐藤氏は「『チームとして有機的に機能する』ために、役割を決めておく必要があるから」だと解説している。このとき、チームの目的は「試合に勝つこと」である。

 「複数の人間が同じ目的に向かって、有機的に機能する」。これはサッカーでもビジネスでも同様だ。自分の役割だけをこなしていればよい、とか、自分さえ目立てばよい、というようなプレーヤーがいると、チームとしては不完全で、目的を達成することは難しくなる。

リーダーの条件

 続いて、チームで働く際に重要となる「リーダー」について、3つのコラムを紹介しよう。『オブリガート ~感謝されるテストエンジニアになる~』の第3バイオリン氏は、テストエンジニア向けのワークショップ「WACATE」に参加した際、グループワークでチームリーダー役を担当した。

 リーダーに求められるものとは何かについて、第3バイオリン氏はグループワークのメンバーと話し合った。あるベテランのメンバーは、次のように話したという。

 「リーダーは最終的な責任を取るのが仕事です」

 「チームの目的」をメンバー全員に示し、あとはメンバーに任せられることは任せる。そして、メンバーだけではどうにもならないことがあったときに素早くフォローし、責任を取る。それが優れたリーダーの姿なのではないか、と第3バイオリン氏はまとめている。

 『新任リーダー明日香のマネージャへの道』は、チームリーダーになったばかりの主人公「明日香」の奮闘をもとに、リーダーに必要な心得を解説している。「リーダーはメンバーの状況を理解しよう」「リーダーから積極的にコミュニケーションをとろう」といった具合である。

 「困ったリーダー」も世の中には存在する。『恋愛感情で仕事はできるか?』の森姫氏は、「リーダー失踪」という事件に遭遇したときのことをコラムに書いている。

 過酷な仕事を一身に背負い、それでも笑顔で働くリーダー。そんなリーダーが、ある日突然、会社に来なくなった。連絡も取れない。リーダーしかアクセスできない進ちょく表や、リーダーしか分からない仕事があったせいで、業務は完全にストップしてしまった。

 このとき、森姫氏は「1人で責任を負うことの危険性」を感じたという。「自分にしかできないこと」を背負いすぎてはいけない。「この仕事がほかの人にもできるように」と、常に自分のバックアップを作るべきなのだ。

メンバーのスキルの差をどう埋めるか

 最後に、チームにおける「業務」と「メンバー育成」の兼ね合いについて。これは、非常に難しい問題である。新人やスキルの低いメンバーをプロジェクトに参加させ、実践形式で育成したくても、それによってプロジェクトのパフォーマンスを落とすわけにはいかないからだ。

 Ahf氏は「メンバー内で技術レベルにばらつきが存在した場合、どこに基準をおくか」という問題について、「最低ラインに合わせるのは、エンジニアリングのプロとして避けねばならない」と主張する。だが一方で、「あまりにも高すぎるレベルに合わせるのも、同様によくない結果しか生み出さない」とも語る。どうバランスを取り、パフォーマンスを最大化しつつ、スキルの低いメンバーを育成するか。リーダーの手腕が問われるところだ。

 永和システムマネジメント コンサルティングセンターの天野勝氏は、『システム開発に関わる人をイキイキさせるヒント』で、アジャイル開発のチームにおけるメンバーのスキルについて言及している。

 アジャイル開発は、チームで要件定義からテストまでを担当するという特徴がある。だが、最初から全工程のスキルがそろったメンバーでチームを構成するのは難しい。アジャイル開発には育成のループが組み込まれてはいるものの、いきなり成長するわけではないので、限界がある。

 天野氏の結論は、「ソフトウェア開発の基礎知識(要件定義から、テストや運用まで)」をきちんと学ぶことが重要、というものだ。当たり前のように聞こえるかもしれないが、チームで働く以上、基本的なスキルは習得済みであるべきなのだ。

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Comment(1)

コメント

yuuyakekoyake

リーダーは、チーム各人の間のデーターの受け渡し=インターフェースと、各人の処理内容を明確にしておくことが、必要と考えます。
リーダーは、各人の内容を、細かく知る必要はないと考えます。
まかせた、各人の処理が、正しくなされているかのチェックと、作業進捗状況の把握が、リーダーの大切な仕事と思います。」

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