DevLOVE「パタンマイニングの実践」に行ってきました!


06/23にDevLOVE「パタンマイニングの実践」に行ってきました。kokucheeseのイベント概要の以下の一文に引かれて参加しました。

今回は、鷲崎弘宜さんを迎え、協調型マイニングと呼ばれる、経験からパタンを取り出す行為(パタンマイニング)を参加者全員で実践します。


相変わらずのDevLOVEクオリティ、今回もとっても楽しかったです。なお、今回はDevLOVEの4年目1発目の開催であること並びに、競艇の植木選手よろしく[twitter:@papanda]さんが因縁の地に帰ってきたことが、いつも参加ONLYで恐縮ですがまた参加できてうれしかった理由です。


さて、感想ですが。パタンマイニングについては、下記書籍「HANDBOOK OF OBJECT TECHNOLOGY」のSECTION VII-38で、Agile Japan 2011で基調講演をされたLinda Risingさんがその手法について1999年に触れられていることに驚き、実際にワークショップで体験したパタンの抽象化/具象化について12年も前に発表されていたことに感動しました。


今回のワークショップでは、まずパタンの抽象化を以下の手順で実施しました。(初めはネタバレはやめようと思ってましたが、本手順はすでにネットでいろいろ公開されていたので書いちゃいます。)

  1. 1チーム5人程度に分かれある大きなテーマに対して成功体験を付箋紙に書き連ねる。
  2. 成功体験は「初期状況」「アプローチ」「結果」の3つをそれぞれ付箋紙に書く。
  3. 書かれた成功体験をチームで類似している物を事に分類する。
  4. 分類されたものを抽象化して一つのドメインとする。


やはり手を動かすっていいですね。また、ただやみくもに成功体験を書くではなく、「初期状況」「アプローチ」「結果」に分けて書くと言う命題を与えられるだけで、ぐっと書きやすくなりました。ちなみに、「初期状況」「アプローチ」「結果」とは”「初期状況」の時、「アプローチ」したら、「結果」になった”形式で書き出しました。


抽象化されたドメインが出来上がったら、以下のように具象化していきます。

  1. 状況を整理し付箋紙に書く。状況は、ドメイン(今回で言えばグルーピングした体験談の共通要素)の背景や環境と言ったコンテキストです。
  2. 問題を整理し付箋紙に書く。問題は、ドメインの問題点です。
  3. 解決を整理し付箋紙に書く。解決は、上記問題に対する解決策です。
  4. 結果を整理し付箋紙に書く。結果は、解決策を施した結果です。
  5. 最後に問題と解決に着目し、ある問題に対して解決策を適用するために考慮した理由や制約をフォースとして付箋紙に書きます。


ドメインが一つなので状況と問題は恐らく一つになるはずですが、解決は複数でる場合があります。また解決に対する結果は一つのはずです。問題と解決の一組に対してフォースは複数列挙します。これは講師の鷲崎さんにも複数上げることを心掛けるよう言われました。


フォースが複数列挙できたら、オリジナルの「アプローチ」に照らします。これが類似していればパタンのマイニングにひとまずは成功です。アプローチだけにフォーカスを当ててパタン化するのは誤りで抽象→具象の繰り返しの中で、具象化された解決への制約こそがパタンの生まれる場所のようです。つまり、フォースがないと「背景が分からなかったり、解決を適用できなくなったりし、変化やバリエーションに対応できない」と言うことです。


フォースだけカタカナなのは気になりますが、鷲崎さんは「フォースは解決に至る理由や力」とおっしゃってました。また、目に浮かぶような具体的なものであるともおっしゃってました。


フォースまで書き終えたら、マイニング結果を記述す。先ほどの「状況」から「結果」に名前を付けて完成です。


前述の通り、記述形式があるとぐっと手が進みました。私のチームには2人の学生さんもいらしたのですが、活発に手が動き、意見が交換され楽しいワークショップになりました。


様々なプロジェクトで振り返りをしたり、社内の会議に参加されたりするとき、「何かありますか?」「何かある人?」の問いと共に沈黙の時間が続くことは良くあります。記述形式を準備し、一つ一つの記述をしている時にその記述に重みを感じさせず、今回のような体系だった方法で会議を進めると、活発な議論と共に、身のある結論が導き出せるのではないかと思いました。また、早速実践して見たいとも思います。


ワークショップ後に各チームが発表されたことに講師の皆さんが意見をくださったのですが、その意見が自分たちのプロセスに大きな反省をもたらし、もう一回くらい別テーマでやらせて欲しかったなぁと強く思いました。


最後に、講師の皆さん、参加者の皆さん、そしてDevLOVEの皆さん、今回もありがとうございました。
ノウハウの形式知化に早速この手法を実践して見ます!!


Handbook of Object Technology

Handbook of Object Technology


【参考URL】
「DevLOVE 我々は、現場から学ぶ。 〜パターンマイニングの実践〜」の周辺つぶやき [twitter:@DiscoveryCoach]さん
『DevLOVE 我々は、現場から学ぶ。 〜パターンマイニングの実践〜』に参加してきた [twitter:@shinyaa31]さん
DevLOVE 我々は、現場から学ぶ。 〜パターンマイニングの実践〜 に参加してきました [twitter:@ywindish]さん
DevLOVE 我々は、現場から学ぶ。-パターンマイニングの実践-参加メモ [twitter:@teyamagu]さん