日米格差は600万円か?「プログラミング言語別 年収調査」の衝撃

このほど、ビズリーチが発表した求人検索エンジンスタンバイ(https://jp.stanby.com/)の「プログラミング言語別 平均年収」のデータがネット上でさまざまな議論を呼んでいる。言語別の年収平均自体も興味深いが、「日本のエンジニアの年収が安い」という指摘も少なくない。

スタンバイ

出典:スタンバイ(https://jp.stanby.com/)

日本はプログラマーの給料が安い国、とよく言われる。シリコンバレー界隈では、プログラマーの給料は1000万円からが基本だ、という話も耳にする。果たして、それはデータ的にどの程度本当なのか? ビズリーチの調査を下敷きに、アメリカの調査データと合わせてグラフ化してみたのが下の図だ。

日米のプログラミング言語別年収比較

日米のプログラミング言語別年収を比較。日本はビズリーチの求人検索エンジンより、アメリカはPayScale社のデータをBusiness Insider Japanが独自にグラフ化している。

制作:石沢成美、伊藤有

アメリカの調査データは、シアトルの人材コンサルティング会社PayScaleが集計・公表している言語別の年収データだ。最初に注意しておくと、ビズリーチのデータは最低額と最高額の「平均」を出しているのに対し、PayScaleの場合は該当プログラミング言語における業種別の「中央値の平均」をとっている。だから、厳密に同一条件の比較にはならないが、規模感の違いを知るには十分なはずだ。また、プログラマーのようにその人の能力次第で生産性が文字通り100倍違う(=年収差にばらつきが生じやすい)ことがザラにある職種では、実態に近い期待値を見るという点では、中央値の方が向いている。

興味深いのは、言語別の「最高額」は意外と日米差がないということ。一般企業の上限は2000万円程度のようだ(もちろん、トップクラスのプログラマーならもっと稼いでいる人もいるし、個人で企業と契約して100万ドル級の年収がある人もいるだろう)。

一方、違いが出たのは、「真ん中近辺」の人たちだ。アメリカの中央値は、日本のプログラマーの「平均年収」よりずっと高い金額であることがわかる。よくIT業界で言われるような「アメリカのプログラマーの年収はだいたい1000万円から」という一般論が裏付けられた形だ。さらに稼げる言語1位のScalaについては、日米の「真ん中」の年収差が600万円以上も違うこともわかった。

また、各プログラミング言語の下限年収もアメリカの方がずっと高いことも見て取れる。日本ではほとんどのプログラミング言語で下限が200万円代であるのに対し、アメリカでは(データがあった言語のみだが)最も低かったPHPでも下限額は約360万円だ。

この差が日米プログラマーの能力差によるものなのか、はたまたプログラマーがスキルほど評価されない残念な国・日本ということなのか? どちらにしても、考えさせられるデータであることは間違いない。

(編集部より:日米の集計データのC言語のデータをアップデートしました 2017年8月15日更新)

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