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図書・図書館史：近代日本の出版流通環境の整備と読書国民の誕生

2013.2.20開催の図書館系勉強会＠KLC（筑波大学）用。ゆくゆくは大学の授業等でも使いたい。

元号

明治

01/25/1868 - 07/30/1912

大正

07/30/1912 - 12/25/1926

昭和

12/25/1926 - 1960

1961以降はとりあえず使わないので抜いてある

社会の主な出来事

明治政府・学制発布（義務教育の開始）

1/1/1872

鉄道網の整備

1887 - 1907

*2 柴野京子『書棚と平台』

日清戦争

7/1894 - 3/1895

日露戦争

2/8/1904 - 9/5/1905

第一次世界大戦

7/28/1914 - 11/11/1918

関東大震災

9/1/1923

普通選挙法成立

5/5/1925

日中戦争～太平洋戦争

1937 - 1945

雑誌流通体制の整備

新聞売捌業者が登場

1877

*2

初の雑誌取次が新聞売捌業が兼業する形で現れる

1878

*2

主な戦前大手雑誌取次が創業

1886 - 1891

*2

雑誌を対象とする鉄道特別運賃が定められる

1898

*2

報知新聞が直営専売開始（新聞と雑誌の独立）

1902

*2

東京雑誌販売業組合 成立

1914

*1 *2

雑誌の値引販売防止対策が本格化

1914

*1

雑誌完全定価販売制の確立（元取次の活動に拠る）

1919

*1 *2

日本出版文化協会への出版業界一元化

8/5/1940 - 1941

*2 用紙統制＋検閲への対応のため、もともと自主的に同業組合が動いていた

取次業者を全て統合した日本出版配給株式会社（日配）発足

5/1941

*2 これも主に用紙と流通体制の完備が目的

日配分割・二大取次（現トーハン・日販）の時代に

1948

*2

図書流通体制の整備

この時点では教科書は自由

1872

*2

東京書籍出版営業組合の設立

1887

*2 さらに出典は『出版販売小史』

教科書国定化

1903

*2

教科書の共同販売所・特約販売所制度が定まる（初等教科書のルート固定）

1905

*2

全国書籍業組合連合会の設立（雑誌側の働きかけ）

1920

*2

講談社『対象大震災大火災』を雑誌ルートで配本。大ベストセラーに

10/1/1923

*2

以後、雑誌流通ルートでの図書流通が常態化

11/1923

*2

雑誌メディアの動向

新聞の活字印刷

1870 - 1872

*4 永嶺重敏『雑誌と読者の近代』

婦人雑誌における資本主義体制の形成・確立と部数の伸長

1882 - 1923

*5

新聞条例の緩和：雑誌発行障壁が下がる

12/1887

*6 長尾宗典. 「誌友交際」論序説: 高山樗牛・姉崎嘲風の高等中学校時代をめぐって. 近代史料研究. 2012, no.12, p.42-59.

『太陽』創刊

1/1895

*4

『中央公論』が前身『反省雑誌』から改題・総合雑誌化へ

1/1899

*4

『文藝春秋』創刊。価格は10銭

1923

*1

『キング』創刊

1924

*5 佐藤卓己『「キング」の時代』

「キング」の時代

1925 - 1957

*5

『家の光』創刊

5/1925

*5

この当時『中央公論』が80銭（現代の3,000-4,000円）

1927 - 1930

*1 永嶺重敏『モダン都市の読書空間』

「キング」150万部達成

11/1928

*5

『家の光』100万部突破／農村での普及

6/1935

*5

図書メディアの動向

木版印刷から活字印刷への以降

1877 - 1887

*4

小説の流行・・・東京・大阪出版物の地方浸透

1887

*3 永嶺重敏『<読書国民の誕生>』

出版部数：5,000万冊程度

1902 - 1907

*2 さらに出典は『出版販売小史』

出版部数：1億冊程度

1921 - 1926

*2 さらに出典は『出版販売小史』

円本ブーム：雑誌ルートでの全国流通確立

12/1925

*1

岩波文庫創刊：文庫のはじまり

1927

*1

出版部数：3億4千万冊程度

1940 - 1945

*2 さらに出典は『出版販売小史』

大衆読書

同世代人口中読者になり得る層は約１割

1899

*1 さらに出典は全国壮丁検査

職工層の主な余暇の過ごし方は「読書」と「新聞閲読」

1921 - 1922

*1 さらに出典は大阪市社会部『余暇生活の研究』

全国青年団基本調査：この時点では円本は読まれず／読書数自体少ない／読むものはバラバラ

4/1926

*1

ある農村の新聞・雑誌・書籍読書率：３割程度／『キング』『文藝春秋』等が読まれている

1929

*1 さらに出典：「農村の読書率」『文藝春秋』昭和4年6月号 読者投稿

ブーム終了後・価格低下した円本がさらに読者を拡大

1930 - 1940

*1

全国青年団基本調査：農村でも円本が普及・読書内容の均一化

4/1930

*1

農村蔵書調査：地主は平均70冊／自作以下は1-4冊

1931

*1

図書館

府県による新聞総覧所の設立と失敗

1872 - 1877

*3 失敗原因は上からの押し付けなので／設立目的は新聞普及による啓蒙・成人再教育・文明化

公立書籍館の衰退

1877 - 1897

帝国図書館設立

1897

*3

通信制図書館・山縣図書館の活動・・・地方・無資力者への読書支援

4/1899 - 1900

*3