大盛況に終わったライフハッカー主催「SHARE BIZ JAPAN」。今後はこのイベントにとどまらず、日本のシェアなサービスを継続的に紹介していきます。

見逃すことのできないサービスのひとつに、シェア・オフィスがあります。海外のシェアリズムやシェアリング・エコノミーといった潮流とは別に、日本でも「仕事場をシェアする」試みは数多く行われています。昨年11月にオープンしたCDC(クリエイティブデザインセンター)もそのひとつといえるでしょう。

SHARE_offiec2.jpg

CDCの特徴は大きくわけて二つあります。

1. クリエイター専門のシェアオフィスである点

2. 神奈川・横浜を基点としている点


運営会社となる株式会社CELL DIVISIONの代表取締役、岩谷真史さんによれば「今までのシェアオフィスはパーテーションで仕切るタイプのものが多かったと思うのですが、あえてオープンなスペースを採用してます。背の高い什器を置かず、見渡しのいい空間にして、共有スペースも確保しました。私たちは"オープンシェアオフィス"という呼び方をしています」とのこと。CELL DIVISIONは、企業のCIやブランディング、デザインを手がける業務を主に行っており、CDCの中に事務所も構える、いわば大家さん的な存在です。

President.jpg

「ここでは、誰でも好きにやりとりきでるようになっている。ここにいる人たちが空間をシェアすることで仲間意識を持てたら、新しい仕事、新しい発信につながるのではないかと思っています。たとえていうなら、かつての"トキワ荘"の現代版みたいなイメージ」

JAGDA神奈川(社団法人日本グラフィックデザイナー協会神奈川支部)ミーティングオフィスが併設されており、クリエイターに必要な情報を共有し発信しやすい環境となっているのが大きな特徴といえるでしょう。賃料は1ブースあたり、¥31,500。こちらに共益費が一人あたり¥5250プラスされます(初期費用は別途。くわしくはこちら)。リーズナブルな価格設定ですが、オープンシェアオフィスとして安定した環境を維持するために、入居審査を設けています。

「入居者は審査基準があって、作品も拝見させて頂きます。面談をして人柄もみます。その判断基準には、"横浜を愛している方"という側面もありますよ」

DSC_0141.JPG
※CDCのオープニング・パーティーより。

入居基準に「作品」「横浜を盛り上げていこうという意識」といった要素が入っているのもユニーク。CELL DIVISIONのサイトでは、スタッフブログに加えてU-STREAMの配信、イベントなども定期的に行っており、単なる空間のシェアとしてだけではなく、クリエイティブなネットワークもシェアしていこうという彼らのスタンスを知ることができます。特にフリーで活動するクリエイターにとって、さまざまな相乗効果が期待できるシェア・オフィスは有効な方法論といえるのではないでしょうか。

CREATIVE DESIGN CENTER

(尾田和実)