デジタル機器の技術革新は相変わらず目まぐるしいですが、そんな中でもインターレース動画というのはなぜか今も生き残ってきているようです。1080iと720pと言われると、何となく数字の大きい1080iの方が高画質のように思えてしまうかもしれませんが、実は720pの動画の方が高画質なのです

 先に結論を述べてしまうと、選択肢があるのであれば1080pがベストです。1080iと1080pはクオリティにかなり差があり、720p、1080i、1080pという選択肢がある場合、クオリティが高い順に並べると、

1080p > 720p > 1080i

という順番になります。

テクノロジーエバンジェリストのBenjamin Higginbotham氏が記事冒頭の動画で説明してくれていますが、基本的にはインターレース動画(1080iの「i」はインターレースの頭文字)というのは画像を二つに分け、画面の半分ずつ画像を動かしています。画像は瞬時に切り替わるので私たちの目には半分ずつの動画ではなく、ひとつの動画として見えるのです。これはスタンダードデフィニション(標準精細度)時代の帯域制限をごまかすのには良い方法だったのですが、半分ずつではなく画像全体を切り替える方式のプログレッシブ動画(720pの「p」はプログレッシブの頭文字)を問題なく表示できるようになった現在では、インターレース動画というのはすでに過去のものなのです。

720p動画では各フレームに720本の水平解像度がありますが、1080iでは1080の半分である540本のみとなっています。多くの場合、目に見えるほどの変化はないのですが、激しい動きなどを動画におさめる場合などには、720pで撮影した方が明らかにキレイに録れます。画質が悪いとすばやく動いている物体がにじんで見えたりしますが、1080iで録るよりも720pで撮影する方がより自然な動きに見えるのです。またHDTVなどのプログレッシブディスプレイでインターレース動画を再生する場合などにも問題が生じてしまいます。

カメラで動画撮影をする場合、このことを頭の隅で覚えておくとそのうち役に立つ日がくるかもしれません。

720p vs 1080i HD Explained (HQ) | YouTube via PetaPixel via Apartment Therapy Tech

Adam Dachis(原文/訳:まいるす・ゑびす)

※5/28 13:00追記:現在もインターレース方式を採用しているメディアの場合(テレビ放送など)、必ずしも上記の内容が当てはまらない場合もある、とのご指摘をいただきました。映像の使用先や放映するメディアに適合する方式をご確認の上、よりよいものをお選び下さい。ご指摘、ありがとうございました。