写真1●Windows 8のビジネス向け機能を解説する米MicrosoftのErwin Visser氏
写真1●Windows 8のビジネス向け機能を解説する米MicrosoftのErwin Visser氏
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 3月6日よりドイツ・ハノーバーで始まったCeBIT 2012において、Microsoftは報道関係者向けにWindows 8のビジネス向け新機能を発表した。

 プレスカンファレンスには米MicrosoftのWindows担当シニアディレクターであるErwin Visser氏が登場(写真1)。まずは2月29日に発表されたWindows 8の一般向けベータ版となる「Consumer Preview」について、新しいMetroデザインによるユーザー体験や、従来型のデスクトップ画面との切り替えといった機能を紹介した。

 その上で、企業ユーザー向けという視点から、既存のWindowsアプリとMetroスタイルアプリの連携や、セキュリティに関する新機能を発表。タブレットやタッチをはじめとして、コンシューマ向けの新機能にフォーカスされがちなWindows 8だが、企業ユーザーにとっても魅力的な製品であることを前面に押し出した発表となった。

Metroスタイルアプリと既存のデスクトップアプリが共存

 最初にVisser氏は、タイルの並べ替えやセマンティックズームといったスタート画面の機能を紹介。このとき、「一般的なデスクトップやノートPCにおいても、マルチタッチに対応したタブレットと遜色ないユーザー体験を提供できる」と説明した。

 MWC2012でConsumer Previewを初披露した際には、タブレットを用いたデモが中心だった。だが、今回のCeBITではタブレットは一切登場せず、ノートPCを用いたデモとなった。これにより、まだ企業内にタブレットの普及が進んでいない場合でも、既存のデスクトップやノートPCを利用してWindows 8のメリットを享受できると強調した。

写真2●WordやExcelといったデスクトップアプリと、Metroスタイルアプリを同時に利用できることをデモした
写真2●WordやExcelといったデスクトップアプリと、Metroスタイルアプリを同時に利用できることをデモした
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 また、ビジネスユーザーが主に利用するWordやExcelといったアプリはMetroスタイルではなく、従来通りのデスクトップ上での利用となる。しかしVisser氏は「デスクトップ画面においても、Metroスタイルアプリを画面端に簡単にドッキングできる」と説明。実際にWordとExcelを起動した状態で、株価をチェックする「Bing Finance」アプリをサイドバーのように表示するデモを行った(写真2)。

写真3●「Microsoft Dynamics」のMetroスタイルアプリ
写真3●「Microsoft Dynamics」のMetroスタイルアプリ
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 一方、Metroスタイルアプリを企業ユーザーが活用できる例として、Microsoftの業務用パッケージ「Microsoft Dynamics」のMetroバージョンを紹介した(写真3)。このアプリでは、売上実績や顧客からのメールといった情報をMetroのタイルとして表示できる。これにより、グラフィカルで一覧性の高い表示が求められるダッシュボードとMetroデザインの相性のよさをアピールした。