どんなものでも、常に良いコンディションを保つためには、日々のトレーニングやメンテナンスが必要です。四六時中使っているようで、実は偏ったところしか使っていない「脳」や、ストレスに晒されて折れそうになりがちな「心」も、良い状態を保つにはある程度トレーニングが必要です。今回は「脳」と「心」を鍛えるためのトレーニング方法トップ10をご紹介しましょう。

 

10. 数独

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「数独=SUDOKU」は世界中で流行した日本発のゲームなので、ほとんどの人は知っていると思いますが、念のためにご説明しますと、3×3の9マスの枠の中に1〜9までの数字を埋めるパズルゲームです。遊び方についてはこちらを参照してください。

一度ハマると病みつきになるタイプのゲームですが、少し前に流行った脳全体を鍛える脳トレゲームとの違いは、問題処理能力の向上にも役立つところでしょう。数独は今やオンラインはもちろん、iOSデバイスAndroidFacebookなど、あらゆるプラットフォームでできますので、数独がやりたいと思ったらいつでもどこでも楽しめます。


9. おまかせ表示

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「おまかせ表示」とは、ウィキペディアの情報をランダムに表示して読む機能です。ウィキペディアの左のメニューの中にあります。おまかせ表示で毎日ウィキペディアを見ていれば、自分が知りたいこと以外の、まったく知らない新しい言葉や事柄について知れます。ウィキペディアのおまかせ表示を、朝イチの習慣にしてみてはいかがでしょう。先日紹介した、ちょっとリッチなビジュアル系ウィキの「Qwiki」も、ランダムに新しい知識を仕入れるにはピッタリだと思います。


8. 簡単な計算を毎日やる

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小学生の頃を思い出してみてください。1分間にできるだけ沢山の問題を解くようにと、大量の簡単な計算問題をやらされた経験がありませんか? 当時は面倒臭いだけだと思っていたかもしれませんが、今なお使えるすばらしい練習方法です。オンラインでできる計算サイトもありますし、計算シートの印刷もできます。バカにするほど簡単な計算でも、毎日こなしていると脳の調子を整えられ、暗算能力が向上します


7.手で書く

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パソコンに慣れた人であれば、紙にペンで手書きするよりも、同じ時間で遥かに速く多くの文字を入力することができるでしょう。ところが、何か新しい知識を身につけようとする時は、パソコンに入力するよりも、手で書く方が効果的に学習できるのです。これは、能動的に集中しているものを処理する脳のフィルタリングシステム(RAS:網様体賦活系)が原因。手で書くということが引き金になってRASが作動するので、脳は今は集中する時だと思うのだとか。何かを覚えたい時は手書き、ということを覚えておいてください。


6. 誰かに教えるつもりで

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Photo by Renato Ganoza.

すでに知っている知識や技術をより深く身に付けたい時は、誰かに教えるのが効果的です。例えば、仕事の手順を順番に頭の中でなぞるだけでなく、この手順を誰かに教えるとしたら...と考えてみるのです。そうすることで、必要な情報がより明確になり、些細なミスが減ります


5. 物語を話す

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Photo by Stacy Z.

物語を話すことは、良い脳のエクササイズになります。まず、覚えておきたいことを、物語の大事な要素や構成に入れることで、物事をより簡単に覚えられます。ささやかだけれど、大切なことにも注意を向けられ、覚えたいことを感情に結びつけることも可能です。

語呂合わせで何かを覚えるというのも、これに近いのではないでしょうか。何かを覚えるために物語を話さなくても、一般的に物語を話すだけで記憶力が向上するのだそうです。物語を話すことは、アルツハイマー病の治療にも使われてきた(英文記事)そうなので、一般的にも記憶力の向上には役立つ方法と言えるでしょう。


4. 脳トレゲームをする

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Lumosity」は、少し前に流行った、いわゆる脳トレ系のWebアプリです。無料アカウントで5日間お試して遊べますが、プレミアムアカウントにすると、より幅広いトレーニングオプションが選べます。どの脳トレもシンプルなゲームなので、英語のみですが分かりやすくて楽しめると思います。日本語でも「脳トレ」とググると簡単な無料の脳トレゲームが出てきますし、昔買ったゲームがまだあれば、それを再度やり始めてもいいと思いますよ。


3. 瞑想する

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Photo by Cornelia Kopp.

脳が効果的に使えていない時は、心の健康と同じように、ほとんどがストレス過多が原因。ストレスレベルを下げるには、瞑想がとてもいいです。瞑想と言っても、お香やヨガパンツは必要ありません。瞑想のススメをチェックして、瞑想を始めてみましょう。


2. 脳のダメなところを知る

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前回のトップ10(英文記事)でも書きましたし、これまでにも「現代人を蝕むハイテク中毒やハイテク疲れの問題点と解決方法」や「『自分ってスゴイ!』と思う理由(そして、それでもOKな理由)」など、とにかく自分の脳がどれだけ間違いを犯しやすいかということは、過去にも口が酸っぱくなるほど言ってきました。もちろん、基本的には脳はとても上手く物事を処理できますが、最低な一面もあります。脳のダメな部分をすべて直そうとするのは無理かもしれませんが、少なくとも自分の脳の傾向や欠点に気付くことで、脳の未知なる可能性を活かすことも可能になるのではないでしょうか。


1. 適度な運動と食事をする

適度な運動と食事が脳や心にも良いというのは、当たり前のように聞こえるかもしれませんが、これが常識だと思っている人とそうでない人は、半々くらいではないかと思います。もし、今でも運動、食事をまともにとっていないという人がいるなら、それはどうすればいいのか分からないだけでしょう。

1904年から受け継がれている15分体操(15-minute daily workout from 1904)」や「ピラミッド型の食事法(structure your daily diet like a pyramid)」(ともに英文記事)などの過去記事をチェックしてみてください。体が健康でなければ、どんなことをしても脳も心も健康を保つのは難しいです。適度な運動と食事で体を健康にしておくことが、実は脳にも心にも一番良いことなのです。


結局は、脳を鍛えるために日々のトレーニングをコツコツと繰り返しながら、心身の健康のために適度な運動と食事をし、ストレスが掛かり過ぎたら瞑想で落ち着く、といったところでしょうか。他にも「脳」や「心」を鍛えるためにやっていることがあれば、ぜひコメントで教えてください。

Adam Dachis (原文/訳:的野裕子)