「IS04は最強のスマートフォン」――富士通東芝がau端末に見せる自信IS04は2月10日以降に発売(1/2 ページ)

» 2011年02月02日 18時11分 公開
[田中聡,ITmedia]
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 富士通東芝モバイルコミュニケーションズが2月2日、au向けスマートフォンと携帯電話の新機種発表会を開催した。

 同社が今春発売する新機種は「REGZA Phone IS04」と「T006」。IS04は、映像機能に注力したAndroid 2.1搭載のスマートフォン。動画を美しく見せる「モバイルレグザエンジン3.0」を備えるほか、おサイフケータイや赤外線通信など日本独自のサービスも利用でき、スマートフォンでは珍しい防水性能もサポートする。T006は1219万画素CMOSカメラを備え、Wi-Fi WINや防水にも対応するハイスペックなケータイ。auでは最多となる4010種類の絵文字をプリセットし、36パターンのイルミネーションも用意した。

photophoto Androidスマートフォンの「REGZA Phone IS04」。OSはAndroid 2.1だが、2.2へのアップデートも予定している
photophotophoto auケータイの「T006」(写真=左、中)。2機種ともIPX5/IPX7等級の防水性能を備えている(写真=右)

IS04の正式な予約活動は行わない

photophoto 富士通 大谷信雄氏(写真=左)とKDDI 湯浅英雄(写真=右)

 今回の新機種は、2010年10月1日に富士通と東芝が統合して発足した富士通東芝モバイルコミュニケーションズとして、au向けに初めて投入するモデルとなる。富士通 執行役員常務 兼 富士通東芝モバイルコミュニケーションズ 代表取締役社長の大谷信雄氏は「REGZA Phone IS04は素晴らしい画像処理エンジンに高画素カメラ、おサイフケータイ、防水機能も備え、現在のスマートフォンでは最強のスペックを誇る。『Skype au』や『jibe』にも対応していて、サービスと機能が一番優れている」と胸を張る。「携帯市場にはスマートフォンが増えて新しい通信方式も出てくるなど変化が激しいが、大きなビジネスチャンス。これからもKDDIさんと一緒に努力をして、新しい商品を出し続けていきたい」と抱負を語った。

 IS04の発売日は公式には告知されていないが、KDDI 取締役執行役員常務 コンシューマ事業本部長の湯浅英雄氏は「2月10日以降に発売したい」と話すが、正式な予約活動は行わない。これは「IS03は発売日までに多数の予約をいただいたが、予約をしないと買えない状態になり、ご不便をかけた」ためで、「販売店の在庫を、早く来ていただいたお客様から渡したい」とのこと。ただ、個別に予約を受け付けている店舗はあり、「そういう予約がだいぶ積み重なっている。発売日までに6〜7万台はいくのでは」とみている。端末価格はIS03やIS06と同じく「毎月割」を適用し、「新規と機種変更どちらもお買い求め安い価格になる」。

進化した「モバイルレグザエンジン3.0」

 富士通東芝モバイルコミュニケーションズ 取締役副社長の木原茂氏は、富士通と東芝が統合したことで、開発基盤の強化と生産効率の向上を果たせたと話した。これまで富士通が製品開発のコンセプトに掲げてきた「ブロードバンドリーダー」「デザイントレンドリーダー」「ケータイテクノロジー」に、Qualcommのチップセットや画像処理エンジンなど東芝が採用してきた技術を加えることで、新しい価値が生まれる。「お互い注力している領域をマッピングすると、それぞれが強い分野をうまく棲み分けられる。さらに商品レパートリーを広げてビジネスを拡大していきたい」と木原氏は意気込む。

photophoto 富士通東芝モバイルコミュニケーションズ 木原茂氏(写真=左)。富士通と東芝の事業統合による成長戦略(写真=右)
photophoto 富士通東芝モバイルコミュニケーションズと富士通の強み(写真=左)。製品開発における3つのコンセプトに東芝の技術が加わる(写真=右)

 IS04とT006に搭載した特徴的な機能の1つが、東芝の液晶テレビ「REGZA」の技術をモバイル機器向けにアレンジした「モバイルレグザエンジン」だ。従来の東芝ケータイにも搭載されてきた技術だが、T006ではバージョン2.0、IS04では3.0に進化させ、輝度変化による映像のちらつきを防止するノイズリダクションや、周囲の環境に合った画質で視聴できる「オート画質調整」に対応する。

 さらに、IS04のモバイルレグザエンジン3.0では、320×180ピクセルのワンセグ映像を854×480ピクセルに拡大しても高精細に再生できる「超解像技術」を搭載した。「ワンセグ映像を単純に引き伸しただけではぼやけて見えるが、補間することできれいな映像を見られる。動画の表現力については自信を持ってお勧めできる」と木原氏は力説する。

 モバイルレグザエンジンは、ワンセグやYouTube、撮影した動画など、動画コンテンツ全般で有効になり、静止画には特に効果はない。またモバイルレグザエンジンは初期状態ではオンになっているが、設定でオフにもできる。バッテリーの持ちを優先するのなら、オフにした方がいいだろう。

photophoto 「モバイルレグザエンジン」は2.0と3.0に進化(写真=左)。ちらつきを抑える「ノイズリダクション」(写真=右)
photophoto 映像を拡大して解像度も向上させる「超解像技術」(写真=左)。屋内外にあった明るさに調整する「オート画質調整」。これはモバイルレグザエンジン2.0にも対応する(写真=右)

“さらに速い”WIN HIGH SPEED対応

photo 従来のWIN HIGH SPEED対応機と比べても通信速度が向上した

 IS04とT006は、3つの電波を用いるマルチキャリア化により、下り最大9.2Mbps、上り最大5.5Mbpsの通信速度を実現する「WIN HIGH SPEED」もサポートしている。さらに、タスク間通信やタスク優先度など、端末内部のアーキテクチャを整備したことで伝送効率が向上し、(X-RAY、BRAVIA Phone S005、SIRIUS α IS06など)2010年秋冬モデルのWIN HIGH SPEED対応機と比べ、実効速度が25%向上しているという。

 全国民放52局のFMラジオを、auの3G通信か無線LAN経由で聴ける新サービス「LISMO WAVE」を利用できるのも、IS04とT006の特徴だ。またWi-Fi経由では音楽映像チャンネルも楽しめる。インターネット経由でラジオを聴けるスマートフォン向けのサービスは「radiko.jp」などもあるが、こちらは利用エリアが限られる。湯浅氏も「LISMO WAVEは音楽好きの人には画期的で喜ばしいサービス」とアピールする。

 LISMO WAVEでは5分おきにバッファを取っており、通信環境が不安定な場所でも途切れることなく再生できる。例えば地下鉄で移動中の場合、駅に到着したときにバッファを貯め、移動中に再生するという具合だ。このバッファの取得は「(3G通信時は)WIN HIGH SPEED対応機ほど速い」(説明員)。なお、バッファを取得するため、実際の放送から5分ほど遅延が発生する。

photophoto 全国民放52局のFMラジオを楽しめる「LISMO WAVE」
photophotophotophoto LISMO!アプリからLISMO WAVEを利用する(写真=左端)。利用時に通信方法(3Gか無線LAN)を選ぶ(写真=左中)。オンエア中の曲名が表示される。左右キーを押すと選局できる(写真=右中)。オンエア中の曲の着うたや着うたフルなどを購入できる(写真=右端)
photophotophotophoto 東京ではなかなか聴く機会のない地域の放送も楽しめる(写真=左端、左中)。番組表も見られる(写真=右中)。番組予約も可能(写真=右端)
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