shungo.arai

A scrapbook on my concern.

金融危機が始まった頃は、倹約の精神が広がったかに見えた。貯蓄を失い、借金ばかり膨れ上がった消費者が、浪費大国に倹約の時代をもたらすと思われた。

イギリスでもアメリカでも貯蓄率は上昇した。07年には2%程度だったアメリカの貯蓄率は、09年4~6月期には約7%にまで伸びた。だが今は、5.5%前後に落ち着いている。イギリスの貯蓄率も再び下落し、10年4~6月期は3.2%にとどまった。(略)

「倹約の風潮が広がっていると思いたくなるが、そうは断言できない」と、ブルッキングズ研究所(ワシントン)のカレン・ダイナンは言う。ダイナンによれば、統計を見ただけでは、どの層が貯蓄を増やしているかもはっきりは分からない。アメリカでは他国よりも、富裕層ほど貯蓄率が高い傾向がある。

— 「それでも懲りない浪費大国」, ニューズウィーク日本版, 2010.12.29.