何で大学では卒業研究をせにゃあならんのか、という疑問を呟いていた学生がいたので、それに答えるべくつらつらと呟いてみようかと思います。
2013-01-31 14:47:26"研究のために大学行く人なんて少数なんだから、卒業研究に一所懸命になるなんて無理にきまってる。"というのがその学生の主張です。前者はまぁ、正しいでしょう。私も4年生になるまで卒論なんてもののリアリティはなかったし、研究者になるとも思ってませんでした。
2013-01-31 14:49:28しかし後者の理屈が通るかというのはまた別問題です。大学という教育機関は必ずしも全員を研究者にすることが目的ではない。しかし、研究活動という行為からは学べること、得られるものが非常に多いです。そのため多くの大学では4年次に卒業研究の遂行と論文執筆を義務として課します。
2013-01-31 14:52:55大学、学部、そして研究室によって卒研に求めるものやそのレベルは様々ですが、少なくとも私が受けてきて、後輩たちへ受け継いでいる指導方針に基づいて述べます。そのポイントは「客観的に見て新しい価値を創造できたかどうか」という点に集約されます。
2013-01-31 14:57:12専門的な知識や技術を身につけるだけなら、それは独学でもできますし、専門学校で学ぶこともできるでしょう。ですが、大学を卒業したと胸を張って言えるからには、何か一つ新しいことを積み上げる、という経験をするべきだと考えています。
2013-01-31 14:59:16それが本当に新しいことなのか?それを証明するためには、きちんと現状をリサーチし、把握し、何が新しいことなのかを示す必要があります。「お前がそう思うんならそうなんだろう、お前の中ではな」では通りません。
2013-01-31 15:00:25そうまでして「新しいこと」を重要視するのは、若干大げさですが世の中をもっと発展させていくためです。既にある出来合いの技術のみを習得して良しとするならば、それは現時点での100%を超えることはありません。
2013-01-31 15:04:37そして100%に近づくことだけを目的にすると、どうしても99%を超えられなかったり、90%や80%でいいや、と妥協してしまう人が出てきます。社会がそんな人ばかりになってしまったら、発展することはおろか、技術や文化のレベルは劣化コピーしか生み出せないレベルになってしまうでしょう。
2013-01-31 15:05:571.01の法則、0.99の法則、なんて言葉が話題になったこともありましたが、私が個人的に思い、私自身が受けてきた指導で目指すのは100%の限界を突破する1.01を生み出すための考え方や方法論を鍛えることです。これは研究者でなくても、仕事の上でも非常に重要な能力になります。
2013-01-31 15:07:58会社も当然、専門学校卒と大卒で求める能力や資質は異なります。既存のスキルを活かして手早くモノを作れる人と、何か新しいブレイクスルーを提案できる人、に別れます。これは優劣の問題ではなく、役割分担ですね。
2013-01-31 15:12:05そんなわけなので、大学を出るからにはそういう資質が求められるものだと思っておいた方がいいです。もちろん専門卒でさらに勉学を重ねて新しいことにチャレンジする人もいますし、その逆もまた然りです。ただ個人的には、限界を突破する機会、その訓練という意味でも、研究はして損はないと思います。
2013-01-31 15:14:37なんかrita先生意識高い高いしてる~と思うかもしれませんが、黒タイツのことばっか考えてるわけじゃねーぞ、という意味もこめて研究について語ってみました。研究を経験した人、これから研究活動を経験する人、それぞれに何か思うところが残せたら幸いです。おわり。
2013-01-31 15:16:52