「日本人は勤勉」というが……迷信かもしれないちきりん×城繁幸の会社をちゃかす(7)(1/5 ページ)

» 2011年05月27日 08時00分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

 おちゃらけ社会派ブロガーのちきりんさんと、人事コンサルタントの城繁幸さんの対談もとうとう最終回。これまで東日本大震災後の働き方や日本型雇用の問題点などを語ってもらったが、最後はどのような話で盛り上がったのだろうか。

人事と労組は対立していない

ちきりん:城さんは著書で「労働組合が既得権益を守っている」と書かれていますが、人事部も年功序列や終身雇用をくずしたくはないんですよね。彼らも恵まれた立場ですし。

城:人事部というのは既得権側なんですよ。さらに言うと経営陣もそう。

ちきりん:「労働組合VS. 人事+経営陣」じゃなくて、彼らはみんな同じ立場にいますよね。

城:一体ですよ。人事部と労組は対立していなくて、飲みに行ったりすることも多い。労組の人が選挙に出ると、人事部は旗を持って応援に行ったりしますから。ある企業では第2労組を作る動きがあったんですが、人事部と既存の労組が手を結び彼らの動きを止めていました。まさに“連携プレー”ですよ。

ちきりん:ハハハ。そういう意味では既得権益を壊そうとしているのは、雇ってもらえていない人なので、全然勝てないですよね。

 労組と人事部と経営陣と……さらに株主側の企業がタッグを組んで、就職できなかった人たちと戦うなんて、勝負になりませんね。

城:あとは“気付く”ことが必要でしょうね。組織の中にヒエラルキーがあるということに。若手はもちろんのこと、女性もそう。「男性に比べ、立場が低いでしょう?」「課長になっている人は何人いますか?」といったことに気付けば、企業も変わる余地があると思う。

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