プーチン大統領がCIA元職員の引き渡し拒否、空港滞在を認める

プーチン大統領がCIA元職員の引き渡し拒否、空港滞在を認める
6月25日、ロシアのプーチン大統領(写真)は、スパイ活動取締法違反容疑などで訴追されたCIA元職員エドワード・スノーデン容疑者がモスクワの空港にいることを認めたが、米国に引き渡す考えはないと明らかにした。フィンランドのトゥルクで撮影(2013年 ロイター/Aleksey Nikolskyi/RIA)
[モスクワ/ナーンタリ(フィンランド) 25日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領は25日、米当局による個人情報収集を暴露し、スパイ活動取締法違反容疑などで訴追された中央情報局(CIA)元職員エドワード・スノーデン容疑者(30)がモスクワにある空港の乗り換えエリアにいることを認めた。しかし、米国に引き渡す考えはないと明らかにした。
プーチン大統領がスノーデン容疑者について公の場でコメントするのは、容疑者が23日に香港からモスクワに到着して以来初めて。
訪問先のフィンランドで会見したプーチン氏は、米国との間に犯罪者引き渡し条約がないなどと説明。また、スノーデン容疑者が国境を越えておらず、査証(ビザ)を必要としないことから拘束もしないとの考えを示した。
さらに、「(容疑者を支援しているとの)ロシアに対するいかなる非難も常軌を逸しており、ばかげている」と述べ、米国をけん制した。
一方、米国家安全保障会議(NSC)のヘイデン報道官は、スノーデン容疑者のパスポートを米当局が無効化したことや訴追されていることを挙げて、ロシアが直ちに容疑者の引き渡しに応じるべきだと改めて訴えた。
ただヘイデン報道官は、この問題で米ロ関係を悪化させたくないとしたプーチン大統領の発言に同意したが、米議会からは両国関係への悪影響は避けられないとする声も上がっている。
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