米Facebookは、米AppleのMac OS XやiOS向けアプリケーションを手がけるカナダの新興企業Acrylic Softwareを買収した。Acrylic Softwareが現地時間2012年7月20日に自社の公式ブログで明らかにした。

 Acrylic Softwareはバンクーバーに拠点を置く企業。Web上のニュース記事を収集し、新聞や雑誌のレイアウトのように表示するアプリケーション「Pulp」や、パスワードなどの個人情報を管理する「Wallet」を2008年から公開している。

 Facebook、Acrylic Softwareともに買収の詳細などについて明らかにしていないが、Acrylic Softwareの創業者で、ソフトウエアデザイナー兼エンジニアでもあるDustin MacDonald氏は20日付のブログ記事で、製品やサービスは買収対象にはなっておらず、WalletとPulpのダウンロード販売はAppleのApp Storeを通じて今後も続けると述べている。ただし現時点では、新たな製品開発計画はない。Acrylic Softwareはバンクーバーの事務所を閉鎖し、米サンフランシスコに移り住み、Facebookのデザインチームに加わるとしている。

 フランスAgence France-Presse(AFP通信)は、FacebookがAcrylic Software買収の事実を認めたと伝えている。Facebookは、新興企業の製品やブランドを取得せず、人材や技術力だけを得る「acqui-hire」と呼ばれる買収を積極的に進めており、今回もこうした手法の買収と見られている(関連記事:Facebook、モバイル位置情報SNSの新興企業「Gowalla」を買収)。

[Acrylic Software公式ブログへの投稿記事]