ICカードが広範に普及してきたとはいえ、磁気カードもまだまだ健在です。キャッシュカードやクレジットカードなどに入っている磁気ストライプ(裏面にある黒い帯部分が典型的)には情報が詰まっていて、ここがダメージを受けるとカード自体が使えなくなってしまいます

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 磁気ストライプはその名のとおり、磁気によって情報の読み書きを行う「磁気記録媒体」です。もはや絶滅危惧種と化したカセットテープと原理は同じで、磁性体(磁性反応のある材料)として塗布した酸化鉄粒子を一定のルールに基づき磁化することで、情報が記録されます。そのためか、とてもデリケート。他の磁気に対して弱く、影響を受けやすいため、破損してしまう可能性があり、故に取扱注意です。

擦れて摩耗の起こりやすい磁気カードは、遅かれ早かれ、使っているうちにカードの磁気が破損したり、弱まったりして、端末機やATMなどが情報を正常に読み取れず、エラーとなる場合があります。データの読み出しなどを行うカードリーダーに何度も拒否されたり、読み取り不能で使用できなくなってしまうと、再発行手続きをするはめになるのですが、新しいカードが届くまで使えないのは何かと不便ですよね。

調子が悪いのか、カードの反応がいまいちなときは応急処置として、ダメもとでセロハンテープ(セロテープ)などで補修してみるのも手。磁気ストライプ、つまり記録層は磁性微粒子の集合体です。この磁性粒子の並び方に経年変化でバラツキが生じることにで、誘発されるノイズを軽減してくれるとか。テープを間にかませると、磁気ストライプと磁気ヘッド(読み取りヘッド)の間にスペースができるため、低磁性のノイズ「のみ」検知しづらくなるというわけです。

外部からの物理的ストレス(変形、etc)でなければ、柔らかい布などで軽くふき取り汚れを落とすことで再度カードを利用できることもあります。原文へ寄せられたコメントによると、機械で読み取りにくくなったカードは、ビニール袋(ポリ袋)やレシートの紙を使ってスキャンすると一時的に復活するそうです。どうしても困ったときの手段のひとつとして、カードが届くまでの一時しのぎに参考になれば幸いです。「クレジットカードやキャッシュカードをキレイにする、簡単な方法」も合わせてどうぞ。

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Melanie Pinola(原文/訳:kiki)