新しいWindows OS「Windows 8」の発売が26日に迫り、前日の25日には東京・秋葉原において「Windows 8前夜祭」が開催された。直前に迫ったWindows 8発売をアピールするこのイベントに登場した日本マイクロソフト 代表執行役社長の樋口泰行氏は、Windows 8について「Windows 95でブームが起きたが、それを超えられる画期的なOS」だとアピールする。

前夜祭会場には多くの人が詰めかけた

Windows 8は、全く新しいタイル状のUIを採用し、タッチパネルでの操作も想定して開発された新OS。「時差の関係で日本で最も早く発売される」(樋口社長)ため、秋葉原の13のPCショップでは深夜販売を実施。0時を回った時点で購入したユーザーは「世界で一番早く買った人」(樋口社長)ということになる。

日本マイクロソフト 代表執行役社長 樋口泰行氏

秋葉原では13のショップが深夜販売を実施する

前夜祭は夜6時から開始され、冒頭に樋口社長が登壇。その後、デーブ・スペクターさんらのトークセッション、クリスタル・ケイのライブなど、多彩なラインナップでWindows 8をアピール。また、会場となったベルサール秋葉原のエントランスにはWindows 8マシンを設置して、ユーザーが自由に触れられる環境を用意したほか、「号外」も会場周辺で配布するなど、アピールに余念がない。

トークショーやスペシャルライブを目当てに来場した人も多かったようだ

Windows 8の発売にあたって同社は、「過去最大のマーケティング」(樋口社長)を実施するという。具体的には、今後6カ月間、Windows 8に関するテレビCMを放映し続け、ユーザーへの訴求を図っていくとのこと。Windows 8搭載マシンは年末までに13社から250機種以上が登場する予定で、樋口社長はさまざまなバリエーションの端末から選択できるメリットを強調していた。

会場のタッチ&トライコーナーにも、ノートPCやデスクトップPC、タッチ対応ディスプレイなどといった多彩な製品が一堂に会しており、来場者は実際に触れてWindows 8を体験していた

すでにOSの予約は開始されており、樋口社長は「手応えは強く感じている」とコメント。コンシューマだけでなく企業ユーザーからの引き合いも強く、特に企業では、営業などの顧客と対応する現場で使う用途に加え、そうした端末がそのまま企業システムと連携できるという点にニーズが強いと話す。

また、Windows 8の発売直前に発表されたAppleの「iPad mini」やAmazonの「Kindle」といった7インチクラスのタブレットについては、「オフでコンテンツを見る行為と、オンで作るという行為があり、オフだけではニーズが満たせない」と言い、コンテンツを消費するタブレットに対して、Windows 8ではコンテンツをより容易に作ることもできるという点を強調する。タブレットと比較した価格についても、「バリューは圧倒的に(Windows 8マシンの方が)高い」としている。

登壇後、取材に答える樋口社長。前夜祭から深夜販売、発売当日の朝から夜まで、この2日間は働きづめだという

Windows 8は、新UIに加えてデスクトップモードで従来のWindowsソフトを利用でき、過去の資産をそのまま利用できる点もポイントで、こうした点も企業ユーザーにとって重要になると指摘する。

ソフトウェアについては、新UI対応ソフトはアプリ配信マーケット「Windows Store」からの配信になるが、「皆さんが使いたいと思う人気のアプリや重要なアプリは配信される」(同)という。同ストアでは、これまでWindowsソフトの市場を支えてきた個人の開発者でもソフトを配信できるが、多くの申請が集まり、現在は「審査がたまっている」(同)状態だという。この点に関しても、審査体制を強化して順次解消させていきたい考えだ。

樋口社長は、「Windows 8の設計思想に自信を持っており、(操作にも)すぐに慣れてもらえる」とし、さらにWindows 8にともなってタッチパネル対応製品を購入するユーザーが多くなると自信を見せる。

Windows 8発売を機にマイクロソフトでは企業ロゴも変更した。これと軌を一にして「マーケティングもポップに、クールにする」(樋口社長)と話しており、これまでにリーチできなかった若者層などにも訴求していきたい考えだ。PCとしてだけでなく、タブレット分野でもWindows 8の存在感を示していくことを目指している。